みなさんこんにちは。
東大セミナーの大木です。
いよいよ統一テストも間近に迫り、
中3生は志望校ボーダーラインクリアに向けて
最後の追い込みをしていることでしょう。
「基礎基本の徹底」が最も大切ですので、
返し縫記憶法による知識整理や、
時間計測を行っての計算演習など、
確実に得点を重ねていける学習を
心がけて下さい。
さて、今回のコラムでは、
昨今教育業界でも話題の中心にある
「コーチング」についてお伝え致します。
指導において、教える側が担う役割には、
大きく分けてティーチングとコーチング
の2種類があります。
ティーチングとは、
いわゆる「教務指導」のことで、
受験学習のサイクルである
「概念理解」「問題演習」
「定石暗記」「過去問演習」のうち、
「概念理解」を補助する役割のことです。
先生が行う授業などがこれにあたります。
コーチングとは、
「自発的行動を促進するコミュニケーション」
と定義することができ、
生徒自身の「自走力(自ら考え、行動する力)」を
育成していく役割のことです。
目標達成までのルートを
事実として提示したうえで、
その差分を埋めていくためのトレーニング手段や
その実行スケジュールについて、
生徒自身に考えさせ
実行できるようにする指導が
これにあたります。
これら二つの役割は、
二項対立的概念ではなく、両方必要なものです。
しかし現実には、
これまではティーチングに重心を置くことが、
教育の常識として考えられてきました。
大教室で行われる大学の講義などを
イメージして頂ければ
わかりやすいかと思います。
このような従来の教育観を変容させ、
「主体的で対話的で深い学び」を
実現していくためには、
これまであまり重要視されていなかった
コーチングをより重点的に
実施していく必要があります。
知識技能のみを必要とする活動が
人の役割から外れていく時代だからこそ、
自ら考え判断する力を
育成していかなければならないのです。
とは言っても、
もちろん知識技能の修得が
必要なくなるわけではなく、
むしろ自ら考え判断する力を
修得するにはこれまで以上に
確かな知識技能を修得することが必要です。
このように、
これからの時代を生きるこどもたちは、
これまで以上に多くの知識技能を修得し、
それらを必要条件として
思考力・判断力・表現力や
主体性・多様性・協働性といった
学力を修得していかなければなりません。
しかし、
当然ながら学習に充てられる時間は有限です。
したがって、このような限られた時間の中で、
教育現場でコーチングを実現するためには、
ティーチングの生産性を向上させ、
そこにかけていたリソースを
余剰させる必要があります。
そしてそのリソースをコーチングに充て、
子どもたちの学力を
養成していかなければなりません。
ティーチングの生産性を向上させる手段としては、
映像授業やICTツール、AI学習法など
様々な手段が登場してきています。
e-learning[1]に始まり、
Adaptive learning[2]を経て、
現在ではBlended learning[3]が
最も新し手法として注目されており、
世界規模ではEdtech[4]が
教育業界の主流になりつつあります。
しかし、このような議論を進めるうちに、
ティーチングの生産性を
向上させる手段をどれにするかという
議論に偏ってしまい、
余剰させたリソースを活用して
どのようにコーチングを実現していくかという
本来の目的を
見失いがちになっているのも事実です。
様々なコンテンツがあふれているからこそ、
それらを活用してどのように
知識技能以外の学力の要素を養成していくかを
真剣に考えていかなければなりません。
東大セミナーはコーチング塾として
生徒の成績を向上させる
教育の在り方を模索し続けており、
様々な教育機関の協力も得て、
新しい教育の在り方を提供し続けています。
そしてその手法は現在も時代の変化に合わせて
日々アップデートしています。
共通テスト導入年度の来年は
これらの指導方法についても一新し、
皆様に共有していく予定です。
保護者会等を通して皆様と共に
これからの時代を生きるお子さまの教育について
考えていきたいと思いますので、
宜しくお願い致します。
[1] 映像授業やICTコンテンツなど、情報技術を用いて行う学習のこと。
[2] いわゆる適応学習。AIを活用して、一人ひとりに合った学習内容を提供する。
[3] e-learningやAdaptive learningに従来の集合学習を併用し、「人」を学習の場に組み込む学習方法。
[4] Educationとtechnologyを組み合わせた造語。教育にイノベーションを起こす新たなビジネス領域として注目されている。
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