一緒に勉強する仲間を作るべき理由 - 金沢市・野々市市・白山市の塾なら東大セミナー
2023.03.01保護者通信

一緒に勉強する仲間を作るべき理由


皆さんこんにちは。東大セミナーの北川です。今年も東大セミナーをどうぞよろしくお願いいたします。
今月のテーマは「勉強をより深めるために必要な仲間の存在」についてお話していきます。

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目次

1. ある講演会でのお話

2.真の理解は自分の思いもよらないところからやってくる

3.大学に入ってからは、「一人で勉強する」だけでは先に進まないことも多い

4.おわりに


 

 

1. ある講演会でのお話


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1月に、東大セミナーでは金沢国際ホテルを会場として「ドラゴン桜コース説明会&講演会」を開催しました。その際、西岡壱誠[1]先生にご登壇いただき、参加者向けに「勉強を楽しむ方法」について講演頂きました。日常生活に根差した話から始まって、生徒たちが楽しんで考える姿を見ることができたのは、私個人としても非常に嬉しい限りです。

 さて、その講演会の最後に質疑応答を行った際、「受験勉強は辛い時もあると思うが、これを楽しむにはどうしたらよいか」という旨の質問がございました。そこで西岡先生が回答されていた内容が、「一緒に勉強する仲間を作ること」でした。

 

 よく、受験は個人戦だ、団体戦だ、という言葉が取り上げられます[2]

 私事ではありますが、事実として私は個人戦寄りの勉強方法を取っていたように感じます。もちろん親や塾の先生、学校の先生に助けてもらったことは数知れず、本当にいろんなアドバイスや生活面でのサポートを受けました。

ただ、勉強を同級生と一緒にやる、という経験は小中高通して一度たりともなかったのではないかと思います。勉強は一人で参考書や教科書と向き合うものであり、万一分からないことがあったとて、ひたすら本を読みこむか、先生に添削してもらえば分かる、と思っていました。

実際、入試本番は1人で紙の前に座って、孤独に解くわけですから、他人とわざわざ勉強しなくても良いじゃないか……となるのも尤もなことです。

ですが、ここのところ結構ハッキリと思うのは「あの頃、一緒に勉強する仲間がいたらもっと学力を伸ばせていたのではないか」ということなのです。その理由を、2つに分けてお話しできればと思います。

現在中高生の皆さん、是非最後までお付き合いくださいますと幸いです。

 

[1] 漫画『ドラゴン桜2』の編集担当をされていらっしゃる方で、現役東大生でもいらっしゃいます。

[2] この言葉はナンセンスなレトリック以外の何物でもないと思うのですが、(自虐的に言うと)教育業界に居る人はこういうのを言い切るのが好きなのかもしれません。

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2.真の理解は自分の思いもよらないところからやってくる


​​ 教科書や参考書に乗っている公式や定理や文法や問題パターンはよく理解していても、なぜか点数に結びつかないという経験をお持ちの方は多いと思います。理由は様々ですが、「本当は理解していないから」ではないかと私は考えています。

 例えば、数学の「確率」についてはどうでしょうか。突然ですが、「さいころを2回振って共に1の目が出る確率」を求めるとします。この時、確率は1/6+1/6=1/3でしょうか、それとも1/6×1/6=1/36でしょうか。加えて、この問題で間違っている方はなぜ間違っているか、説明できるでしょうか[3]? 正しい方はなぜ正しいか、説明できるでしょうか?

 或いは少し数学ができる人は、整数分野の「合同式」を思い浮かべてみると良いでしょう。合同式でも加減乗除ができるのはなぜでしょうか、或いは除法について法と割る数が互いに素でなければならないのはなぜでしょうか。

 細かいことですが、定理や性質などの”数学の道具”にまつわるルールを理解してないと(高校数学では)なかなか先に進めません[4]。道具が単純すぎて、応用が効かないのです。

 そして、何より、自分の理解に自覚的な人はどれくらいいるでしょうか。誤魔化すつもりが無くても、分かったつもりを分かったと勘違いして進むことはよくあることです。さらには、それを自分ひとりの力で気づくのは非常に難しいのです。

 ですから、他の人の力を借りるべきなのです。自分が分からないところではなく、「自分が分かっていないことを分かっていないこと」を知るために、多人数での勉強は有効です。

 もちろん、単に知らないことを知れるというのも複数人で学ぶことの意義ではありますが、それなら先生に訊くだけで事足ります。それよりも、自分に対して俯瞰的になるために他人の視点を借りる方が、大切なことだと私は思います。

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[3] 勿論「厳密な」説明は色々大学数学の道具立てが要りますので、あくまで高校数学の範疇の話にはなりますが。

[4] 「高校数学では」という但し書きに注意してください。

 

 

 

3.大学に入ってからは、「一人で勉強する」だけでは先に進まないことも多い


 こちらの方が重要な理由だと個人的には考えているのが、「大学に入ってから」の話です。大学の勉強は単純に高校のそれより難しいですが、そもそも大学の勉強というのは高校までの勉強とは本質が違います。それを知らずに、1人でがむしゃらに本と向き合ってばかりという状況に陥るのは、非生産的であることも往々にしてあります。

 大学での勉強は、現在の技術や知識の最先端に触れるための準備に当たります。まず「何を言っているのか分からない」なんてことに直面するのは日常茶飯事です。理系の学生なら、恐らくε-δ論法で躓く人が出てくることが多いと存じます。或いは、ベクトル空間における「次元」を理解するのも結構骨が折れた方が多いのではないでしょうか。

 そうなると、こういう時は「誰かに聞く」のが鍵になります。とはいっても、授業を持っている先生に四六時中聞いて回るのは不可能です。となれば、共に学ぶ仲間同士でお互いの穴を埋めあうのも、一つの良い方法ではないでしょうか。

 そして、前節でもお伝えした通り、誰かと協力することは決して大学に入った後から「だけ」で重要なわけではありません。早めに始めて慣れておくのも、策ではないでしょうか。

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4.おわりに


​​ 以上、2点について「一緒に勉強する仲間を見つける」ことの重要性をお伝えいたしました。あなたが今、どの年代の方かは存じませんが、「勉強は孤独に、一人でやるものだ」とお考えなら、それについてささやかな別の視点を提供できたなら幸いです。

 それではまた来月の『WHITE BORAD』でお会いいたしましょう。ありがとうございました。

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【記事監修者】塾長 柳生 好春


1951年5月16日生まれ。石川県羽咋郡旧志雄町(現宝達志水町)出身。中央大学法学部法律学科卒業。 1986年、地元石川県で進学塾「東大セミナー」を設立。以来、38年間学習塾の運営に携わる。現在金沢市、野々市市、白山市に「東大セミナー」「東進衛星予備校」「進研ゼミ個別指導教室」を展開。 学習塾の運営を通じて自ら課題を発見し、自ら学ぶ「自修自得」の精神を持つ人材育成を行い、社会に貢献することを理念とする。

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