皆さんこんにちは。東大セミナーの篠原です。
巷では小学生の間で「それってあなたの感想ですよね?」「はい、論破」と言って相手をうち負かしたり、論破をしかけたりすることが流行っているそうです。
東大セミナーに通う生徒の皆さんは相手を思いやって接することができる子が多いと思うので、そんなこと言っても後で反省するんじゃないかな?と思いますが、保護者の方としては、子どもから何かにつけてうち負かそうとされるのは困惑しますよね。
そこで今回は、「もしも子どもが論破をしかけてきたらどう対処するか」をテーマに考えてみたいと思います。
目次
1.「それってあなたの感想ですよね?」「はい、論破」の元ネタは?
そもそも、「それってあなたの感想ですよね?」「はい、論破」の元ネタはどこからなのでしょうか?
「それってあなたの感想ですよね?」は「2ちゃんねる」開設者で元管理人のひろゆきさんこと西村博之さんが、2015/06/22(月)に放送された『ビートたけしのTVタックル』で発したセリフです。
「はい、論破」はフジテレビの『痛快TVスカッとジャパン』で、木下ほうかさんが演じた「イヤミ課長」のセリフだそうです。
「それってあなたの感想ですよね?」も「はい、論破」もひろゆきさんが言っているイメージがありましたが、そうでは無いのですね。
「それってあなたの感想ですよね?」は、ベネッセホールディングスが発表した「2022年小学生の流行語ランキング」の1位を獲得しました。
ベネッセホールディングスによると、「それってあなたの感想ですよね?」は「友達が言い訳をしてきた時」「好きな動画チャンネルでアンチコメントを見た時」「先生や友達に『テストの点数が悪いな』と言われた時」などに使用されるそうです。
「はい、論破」は議論や口喧嘩になったときに、理屈で相手を言いくるめて勝った決め台詞で使うシーンが想像されます。
私が子どもの頃には、好きな動画チャンネルでアンチコメントを見た時に「それってあなたの感想ですよね?」とツッコミを入れることなんて微塵も想像できませんでしたが、今の子どもたちは自由に動画を見るだけではなく、その動画についたコメントもしっかり確認しているんですね。
これは私の感想になってしまうのですが、「どちらの言葉も、大人が使っている言葉を子どもが真似をして使っているんだなぁ……」と思えてきて少し切なくなりました。
「テレ朝NEWS」ではこんな親子のやり取りが紹介されていました。
母:「宿題もっと早くからやっておけば、良かったんじゃないの?」
息子:「それってあなたの感想ですよね?」
親が良かれと思って教育上の指導をしたのに、このように子どもに言い返されては困ってしまいますよね。
このように、親が子どもに「こうした方が良い」「こうして欲しい」と意見を伝えるときに、子どもに論破をけしかけられることで困ってしまうことが多いようです。
会話のシーンにもよりますが、そもそも感想って言っちゃ駄目なんでしょうか?
元ネタの『ビートたけしのTVタックル』では、感想を事実であるかのように見せかける発言を戒めるために「それってあなたの感想ですよね?」と言われたのであって、「感想を言ってはいけないシーン」は日常生活で限りなく少ないように思います。
「あなたはこうした方が良いと思うよ」という意見や感想を述べるのはその人の自由です。
だから、「そうだよ。感想だよ。感想言ったらダメなの~?」と反応するのはいかがでしょうか?
保護者の方としては続けて「実際、宿題早くやった方が気兼ねなく過ごせるんじゃない……?」と言いたくなりますよね。
同じく「テレ朝NEWS」によると「はい、論破」は以下のようなシチュエーションで使用されるそうです。
母:「帰宅が遅くなるなら、ちゃんと連絡して!」
息子:「じゃあ、ママが遅くなる時に何時に帰るとか、どこにいるとか、細かく連絡してきてるの?」
母:「…」
息子:「はい論破!」
「はい、論破」を使う小学生は「マウント小学生」と言われます。
自分が相手の優位に立ってうち負かそうとしているのです。
「自分は優位に立っているんだぞ!」という姿勢を見せつけるだけでは、みんなで物事を話し合って解決したり、交渉を成立させることができません。
話し合いは自分より相手が優位かどうかではなく、意見の違う者同士、お互いが納得できる落としどころを見つけることの方が重要です。
ですので、相手より自分が上かどうかに執着している人に対しては「今、何を解決すべきなのか」に焦点を当てた切り返しをして、建設的な問題解決にもっていくのが効果的ではないでしょうか?
例えば
「論破って言うけど、あなたが帰る時間がわからないと行方不明になってもすぐに助けられないんだよね。それは良いの?」
「お互い帰る時間がわからなくて困ることはない?家族の帰宅予定を把握するには、どうするのが良いと思う?」
などといった形です。
保護者側が「こうして欲しい」という意見を伝えて、それを子どもが拒否する構図だと、「どっちの意見が正しいか」という、マウントの取り合いにもっていかれます。
でも、そうではなく解決すべきテーマを明確にすることで、建設的な話し合いをしやすくなるのではないでしょうか。
もしも身近な家族に「はい、論破」と言われたら……正直自分なら「悲しいな……」と思いますね。
と同時に、小学生が「はい、論破」って真顔で言っている様子を想像すると、ちょっと面白いと思ってしまいます。
「控訴!控訴!」と言うかもしれません。
ひろゆきさんや木下ほうかさんなど、テレビに出ている人ではなく、現実社会の大人で、議論の内容は差し置いて相手の優位に立とうとする人……いませんか?
それに、大人の方が「SNSで旅行に行ったことや美味しいものを食べたことを自慢する人」「年収を自慢する人」「学歴を自慢する人」など、小学生よりも醜くえげつない(?)マウントの取り合いをしています。
小学生がマウント取り合うのは意外性がありニュースの滑降のネタになりますが、大人のマウントの取り合いは放っておいて良いのかな……?とも思えてきますね。
大人同士がマウントを取り合う様子を子どもが真似しているとも言えます。
子どもにより良い人間関係の世界を見せられるように、私も日頃から他の人にマウントを取っていないか振り返ろう……と思いました。
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