皆さんこんにちは。東大セミナーの大木です。
今回は、「大学入試における日本史のお薦め参考書」についてお伝えします。
目次
大学入試は、国公立大学の場合、「大学入学共通テスト」と「国公立二次試験」の二つの試験から構成されており、両試験の合計得点で合否が判定されます。
私立大学の場合は、大きく「共通テスト利用型入試」「共通テスト併用型入試」「一般入試」の3パターンに分けられます。
「共通テスト利用型入試」は共通テストの結果のみで、「共通テスト併用型入試」は共通テストと大学側が用意する一般入試問題の合算で、「一般入試」は大学側が用意する一般入試問題の結果のみで合否判定がなされます。
これらの入試形式において日本史が必要になる場合についてみてみましょう。
共通テストでは、社会を2科目選択する必要があります。
対象科目は世界史、日本史、地理、倫理政治経済、倫理、政治経済、現代社会ですが、倫理、政治経済、現代社会の3科目は選択対象にされていない大学もあるため、多くの場合、世界史、日本史、地理、倫理政治経済から2科目選択することになります。
ここで日本史を選択した場合は、共通テストで日本史が必要ということになります。
また、国公立二次試験で日本史が受験科目に設定されている大学(東京大学・京都大学・一橋大学など、最難関クラスの国公立大学)を受験する場合は、二次試験でも日本史が必要になります。
共通テストでは、社会を1科目のみ選択すればよいので、日本史を選択した場合は、共通テストで日本史が必要ということになります。
国公立二次試験で日本史が受験科目に設定されている大学はありません。
共通テストに関しては上記(1)と同じ。
一般入試では、多くの学部で社会が受験科目に設定されており、世界史、日本史、地理から1科目選択受験というパターンが多いので、ここで日本史を選択した場合は、一般入試でも日本史が必要ということになります。
「共通テスト利用型入試」「共通テスト併用型入試」で、共通テストの社会の得点を利用する場合で日本史を選択している場合、共通テストで日本史が必要ということになります。
一般入試で日本史が受験科目に設定されている大学はありません。
このように、文理・試験形式・志望大学ごとに学習科目が変わってくるので、受験生になる前の非受験学年の時から、自分に必要な科目を調べておき、受験の情報を細かく収集しておくことは非常に重要です。
そうすることで、社会の学習にかけるべき時間の総量を正しく把握することができ、その反射効として、他科目にかけるべき時間も正しく把握できます。
例えば同じ国公立文系であっても、社会が二次試験に設置されている大学を第一志望校にする生徒と、そうでない生徒では、社会にかけるべき学習時間は大きく異なってきます。
大学受験は「効率」が重要。
やみくもに学習するのではなく、必要な科目に必要な時間を配分し、優先順位をつけて学習を進めていきましょう。
なお、地理歴史科目には「A」と「B」が存在しますが、「A」では出願できない大学もあるため、基本的には「B」を選択しましょう。
上記の通り、大学入試における日本史の学習は、文理・試験形式・志望大学によって異なるため、試験レベル毎に学習方法が異なってきます。
フェーズ毎の具体的な学習方法については、過去記事「大学入試に備えよう!高校社会の効果的な勉強法」を参照して下さい。
具体的な勉強方法を見てもらったところで、お薦め参考書について記していきます。
マンガで通史をざっと学ぶことができるので、初学者にお薦め。
歴史の学習においては、まず通史を頭に入れることが最初のステップであるため、難しい教科書や参考書から始める必要はなく、むしろ学習しやすい内容のものをチョイスするのが効率的。
特に歴史が苦手な生徒は、マンガで読むことでモチベーションも維持しやすいのでお薦め。
マンガ以外にも、時代の流れがテキスト形式で掲載されているページがあるので、もう少し詳しく知りたいというときも便利。
「原始・古代史」「中世・近世史」「近現代史」「文化史」の4冊に分かれています。
実況形式で書かれているため、学校で未習範囲を先取り学習したいというニーズも満たしてくれます。
また、背景理解に軸足を置いた授業であるため、「覚える」ではなく「理解する」勉強法がみにつきます。
二次試験でも日本史を必要とする場合は特にお薦め。
テーマ毎に流れ、資料、年表などが見開き1ページにコンパクトにまとめられているので、とても見やすく、進めやすい。
毎日コツコツ派の生徒向けの一冊。
これは学校教科書としても採用れています。
通史学習で全体の流れをつかんだあと、その内容をより深く学んでいくのにぴったりの一冊。
山川出版社は、教科書、一問一答集ともに非常に完成度が高く、大学入試には必携の一冊です。
私立大学入試を念頭に置いている場合は、欄外もしっかり読み込みましょう。
実教出版の1冊。
通史定着を図る際に傍らに置いておき、あやふやな用語が出てくるたびに確認することで、知識定着をより強固なものにできます。
論述問題対策の基本記述の講義部分から始まり、各大学の過去問から抜粋された例題、そして添削指導付きの予想問題と、充実の内容。
そもそも論述問題ってどうやって書けば良いの?という、論述問題を自力で解くレベルに到達していない論述初心者に特にお薦め。
「論述では特別な要求がない限り年代を書き込む必要はない」「文頭1マス開けなくても良い」「段落分けは不要」など、論述の一般的技術に関する指導もついているのが嬉しい。
日本史論述問題の重要トピックについて、複数の論点を踏まえながら理解を深めていける一冊。
一つのトピックを1つの論点から論じて終了ではなく、複数の論点を踏まえて考察していくため、1つのトピックが完成するたびに、ミクロとマクロ両方の視点から深い理解を得られる。
この深い「理解」こそが、論述問題に対応できる力。
様々な大学の過去問をテーマ別に収録。
解答だけでなく、解説編も付属しており、その内容も非常に充実しているため、難関私大を志望する生徒にピッタリの1冊。
さらに、別冊のトレーニングブックも付属しているので、アウトプットの機会も十分に確保できるという優れモノ。
何度も反復して演習を積みたい。
難関私大突破に向けて絶対にクリアしたい1冊。
問題の量と質はもちろんのこと、解説編の充実度も申し分なし。
この1冊を徹底的に解ききることは、私大入試の受験資格であるといっても過言ではない。
私大日本史受験者にとって、最後の仕上げの問題集。
以上、大学入試における日本史のお薦め参考書について記しました。
具体的な学習方法と併せて参考にして頂ければ幸いです。
社会という科目、とりわけ日本史は、非常に情報量も多く、高い完成度にするまでには相応の時間がかかる科目です。
だからこそ、非受験学年の時から、少しずつ学習を初めておき、早期に共通テストレベルは完成させ、受験学年の終盤に主要3科目の学習の妨げにならないように準備しておきましょう。
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