センター試験は終わったけれども、これからが受験の本番です。当然、受験生は本番が近づくにつれナーバスになります。そこで「落ち着いて平常心でやれ」と言ってみてもなかなか上手くいきません。それで上手くいけば誰も苦労しません。学校でも不安と焦燥からこの時期かえって騒がしくなったりします。本番が近づくにつれ集中力を発揮できる生徒はそれだけで素晴らしい才能です。
それでは受験生の周りにいる者としてどのような接し方が良いのでしょうか。それは、笑顔に尽きると思います。家庭の中で笑顔を絶やさないこと。特に母親の笑顔の影響が大きいものです。「原始、女性は太陽だった」との平塚らいてうの言葉を待つまでもなく、家庭における母親は太陽のような存在です。子供というのは母親の喜ぶ笑顔が見たくて頑張ることもままあるのです。
表題の「和顔愛語」は禅語の一つです。笑顔と慈しみのある言葉の重要性を示す言葉です。鎌倉時代に曹洞宗を開いた道元禅師は「愛語は愛心よりおこる。愛心は慈心を種子とせり。愛語よく廻天の力あることを学すべきなり」と言って愛語の重要性を説いています。廻天の力というのは天を引き回す程の力という意味です。なんと凄い力でしょう。笑顔と慈しみの言葉で暖かく見守ることが大切です。
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