東大セミナーを知らない人に東大セミナーついて語るとき、
三つのキーワードを「ボイス」として活用している。
一つは「人の存在価値を認める」。
二つ目は「学びの意義を伝える」。
三つ目は「本気・やる気を引き出す」である。
学習塾は勉強を教えるのが仕事であるが、
指導を効果的に行うためにはこれらのことがとても大切だと考えている。
この三つは順番がありこれを取り違えることはできない。
そしてこの三つが一体となって始めて有効に機能するものと考えている。
一つ目の「人の存在価値を認める」は学習指導に限らず、
人間が生きていくうえで非常に大切なものである。
私たちは人を良きにつけ悪しきにつけ評価する機会を多くもつ。
その際に人が成し遂げた成果やまた成し遂げられなかった結果、
獲得できたこと、またそうでなかったことなどで評価しがちである。
「人の存在価値を認める」ことは、それらに関わらず、
人に人としてかけがえのない価値があるものとする。
アドラーの言葉を借りれば、
「他者のことを行為レベルではなく、存在のレベルで見る」
ということになる。
人が「行為」のレベルでなく「存在」レベルで認められたら
どれ程前向きになれるか。
嬉しくない人はいないと思う。
その人がその人であることに価値があり尊いのである。
誰もその人に取って代われないその人にしか成しえないことがあるはずである。
アドラーは「人間の喜びも悲しみもすべて人間関係の中にある」と喝破したが、
その要諦は「尊敬」であると言う。
その「尊敬」とは人をありのままに見る、
すなわち「人の存在価値を認める」ことである。
学習指導にあたって、指導者が最も心しなければいけないことは
生徒の人としての存在価値を認めることであると確信する。
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