3月の10日から16日までシカゴのロータリーの本部で研修を受けた。
ロータリークラブは様々な職業人及び専門家の集まりで通常週1回例会を開き、
会員間の親睦を図ると共に地域に対するボランテイア活動を行なっている。
例会では多様な業界からスピーカーを招き30分程のスピーチを聴くことで知見を深めている。
世界で120万人、日本で9万人がロータリークラブに所属している。
ボランティアとしては財団を創り資金を集めて、
発展途上国の教育や紛争解決、水と衛生などの問題解決に当たっている。
また青少年の育成にも力を入れており高校のボランテイア活動を支援したり、
15歳から19歳までの高校生の1年間に渡る海外留学を世話している。
留学生は海外のロータリー会員の家にホームスティしながら異文化に触れる。
毎年全世界で100の国と地域の9千人の若者がこの制度を利用している。
東大セミナーの生徒も1人この制度を利用して現在アメリカに留学している。
故あって、このロータリーのシカゴにある本部で世界のあちこちから集まった43人と一緒にロータリーについて学ぶ機会を得た。
皆地域を代表する人達であり大いに刺激を受けた。
セミナーは全体会と分科会が交互に行われ、分科会では自らの意見を言うことが求められる。
2人に1台のマイクが設置されディスカッションリーダーの発問にボタンを押し、
指名されて答える仕組みになっていた。
海外からの参加者のそのボタンを押すタイミングの早きこと、当初圧倒されたものである。
幼き頃より自分の意見を持ち、発信することを良しとする教育を受けて来た人達である。
最後の全体会で司会進行者のアントニオ(ブラジル人)が
「ヨシ(私の愛称)は最初大人しかったので心配したが、段々活発に意見を言ってくれるようになって良かった」と私の方を見て笑顔で語ったのである。
これには戸惑ったが、嬉しさと気恥ずかしがが混ざり合う複雑な気分であった。
しかし、今ではかけがえのない良き思い出である。
閉講の辞を述べ終えたあと、感極まって涙ぐんでいるアントニオに近づき、
心の底から「アントニオ、サンキュー」と言った自分が居た。
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