東セミグループはこの7月で創業30周年を迎えます。法人設立が1月21日、創業が7月26日からの夏期講習です。金沢市有松の金沢校が最初の校舎で2年後に松任校を開校しました。当時は集団一斉の東大セミナーのみであり、入会テストを厳格に実施する進学塾として地域から高い支持を得ました。東大セミナーの入会テストに何度も落ちて他塾で勉強し、3度目でようやく合格したというエピソードがありました。また、学校での生徒間の話題によく東セミのどのクラスに所属するかということがあったようです。「東セミ」という呼称も開校当時の生徒が使っていたのを、ちゃっかり頂いて私たちも使うことにしたものです。
「東大セミナー」という厳めしい響きを緩和するにはもってこいの呼称でした。
進学塾というと実績が問われます。開校10年目のあたりで金沢•松任の2校で泉丘高校合格者を56名出したことがあります。当時のライバル塾と比較して生徒数において、どう見ても3分の1以下の状況下での実績でした。残念ながら、今日までの最高実績がこの合格者数です。原因は幾つか挙げられますが、1991年に東進衛星予備校を全国で最初に導入し、そこにエネルギーを取られたことがあります。今と違ってテレビ画面を見て勉強することに普遍性がありませんでした。軌道に乗せるのに10年の歳月を要しました。中小企業にとってこの負担はとても重いものでした。しかし、今となれば小中生から高校生への垂直展開の故に今日の東セミグループがあると言っても過言ではありません。
創業30周年の節目に、タブレットを使用して行う授業を7月から開始します。これは今までにない授業形態であり、提携先が多額の費用をかけて開発したものです。タブレットに現れた問題を専用ノートで解き、タブレットに解答を入力する。正答率など学習記録が残り、以後の学習の指針となり、効率の良い学習ができるものです。タブレットを通して宿題の指定もでき、正否がリアルタイムで分かります。従来は指導者の経験や感に依っていましたがこれからはエビデンス(証拠)に基づく指導が可能になるわけです。これは画期的な仕組みでありますが、教育はあくまで指導者の熱い思いと誠実な対応が命です。30年を節目に初心を忘れず、天職を全うする覚悟です。
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