近ごろ「自問自答」ということを考えるようになった。 いや、そのことの重要性に思い当たることが多くなったといったほうが当たっている。 よく反省という言葉を使うが詰るところ自問自答に行き着く。 松下幸之助は「自修自得」とは自問自答しながら学ぶことだとしたが、 東セミグループの教育理念にもこの自修自得を謳っている。 これを換言すれば自ら問題・課題を発見し、自ら答えることということができる。
教育の究極の目標は自問自答しながら人生を歩む人間の育成にあるのではないかと思う。 何時までも人から指摘されないと分からない、気づけないということでは心もとない。 もっとも人間は不完全な存在で人の支えがないと生きられない弱い存在でもあるが、 可能な限りの自立を求められるのも自然である。 釈迦入滅に当たって弟子の問いに答えて言った「依存心を捨てよ、自らを頼れ」の箴言はその重さを伝える。
自立という言葉もよく聞くがその根底に自問自答する人間の存在がある。 学業においてもビジネスにおいてもこれは重要だ。 「できる人」とはそれができている人だ。 ただそこに至る過程で互いの指摘、フィードバックは往々にして必要なことだ。 始めからできる人などいない。 自分なりに努力、試行錯誤する中で養われるものだ。 始めから「答え」という概念は存在しない、「問い」があるから答えが存在するのだ。
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