やはり、読書はいいですね。いま読んでいる本の中にこれはすごい、と思えるくだりがありました。 少し長いのですが、そのまま引用したほうが分かりやすいので以下に記します。 「1890年のこと、ピッツバーグでカクテルパーティーが催され、カーネギーを始め大勢の名士や有名人が招待された。 カーネギーは部屋の片隅で葉巻をくゆらせていたが、そこにひっきりなしに人々が挨拶に行ったものだ。 やがて誰かがカーネギーにフレデリック・テイラーを紹介した。のちに”科学的管理法の父”として知られるようになる人物だが、 当時はまだ売り出し中のコンサルタントである。『やあ、お若いの』とカーネギーはうさんくさそうに若者に一瞥をくれて言った。 『君が経営について聞くに値することを言ったら、1万ドルの小切手を送ってやろう』。
1890年の1万ドルは、ものすごい金額だ。このやりとりに、近くにいた人々は耳をそばたてた。 テイラーは臆せず答えた。 『あなたにできる重要なことを10項目列挙したリストを作ることをおすすめします。リストができあがったら、1番目の項目から実行してください。』 この話には後日談がある。1週間後にテイラーは、1万ドルの小切手をうけとったのだ。 正直なところ、初めはこの話にピンときませんでした。著者も言うとおりごくありふれた話だと思ったからです。 しかし読み進めていくうちに、著者の筆力もあってこれは人間の心理を突いた素晴らしいアイデアであると確信するにいたりました。 普段、私たちは自分のなすべきことが頭の中で整理されているわけでもなく、 とりあえず緊急性の高いもの(と思っている?)から片っ端にとりくんでいることが多々あるからです。 10項目も挙げれば重要性・緊急性について相対的な価値判断が必然的にできます。 「リストを作ることで『いまやるべきこと』が明確になれば問題解決に向けた行動を起こせるはずだ」との著者の言葉に同意します。 根が単純な私は早速実行してみました。これはいけるというのが実感です。 生徒諸君もご父母の皆様もぜひ1度試してみてください。
*本文の引用は「良い戦略、悪い戦略」リチャード・P・ルメルト著からのものです。
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