7月11日の参院選までもう少しですが、昨年の劇的な衆院選の政権交代からはや首相が交代するというすっかりお馴染みの政治シーンとなりました。与党の首相と幹事長のツートップが金銭問題でつまずき、昨年の衆院選で民主党に投票したものとして失望感にみまわれていました。民主党に投票した理由は単純に日本にも政権交代可能な二大政党制が必要だと思われたからです。それでも始めから民主党がスムーズに政権運営をするとは思っていませんでした。与党としての経験はほとんど無いのですから、いきなり大きな期待をするのは無理だというものです。教育やビジネスの世界においても相手に経験をさせないで性急に結果を求めるのと同じです。
この間、日本のマスコミのあり方にも疑問をもちました。5月までに普天間移設問題が解決しない場合の鳩山首相の進退問題を執拗に訊いたり、7月の参院選で民主党が54議席とれなかった場合の現菅首相の進退問題を早くも本人に質問したりとニュースで見る限り浅薄で芸能人のゴシップ報道とどれだけ違うのだろうかと。もとよりマスコミの批判の効用については十分認識していますが興味本位、型どおりの批判も散見されました。それに新政権誕生による日本のマスコミのハネムーン期間が余りにも短いという感想をもちました。
それにつけても政界における人材不足は深刻なようです。百年に一度という経済不況下で特に想うことは、これからの日本のリーダーに求められるのは未来を切り開く明確なビジョンと強い意志・政治倫理感を持つことだということです。それには手前味噌になりますが多感な幼少期からの教育ほど重要なことはないのではないでしょうか。しかし2007年4月の「高校生の意欲に関する調査」(日本青少年研究所)では「偉くなりたいですか?」の質問に「強くそう思う」と答えた生徒が韓国、中国、米国と比較して最も少なく、「まあそう思う」を足しても「あまりそう思わない」「全くそう思わない」の合計に及んでいません。
調査で浮かび上がった日本の若者の特色に、「偉くなりたくない」という人生観があり、根底に「偉くなると責任ばかり多くなり損をする」「リーダーになりたくない」「何の責任も無く楽しくやれれば一番よい」という考え方があることが指摘(日経新聞2010年6月28日)されています。東セミグループでは、この夏は「あなたの『志』はなんですか?」をテーマに受験を始めとする学習に取り組みます。学習の動機として夢・目標は一般的ですが、利他的色彩の強い「志」を選択したのは未来のリーダー排出の願望があるからです。西郷隆盛の「幾だびか辛酸をへて、志はじめて堅し」の言葉にあるように決して楽な道ではありませんが、社員一同一致団結して推進して行きます。
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