学ぶ意義については100人居れば100通りの考え方があるだろう。生きていく上での知識を得ることはもちろん人生の選択肢が広がることや、知識・知恵・文化を後世に伝えることなど幾つか挙げられる。現実的には学んで高等教育機関を出れば就職に有利などと親が子に伝えることも多い。宮城谷昌光の小説に「学問は弱い人間が必要に迫られてするもので、勇猛な武将には必要ない」という中国古代の武人の言葉があったが、かつて学問とはそのようなものであったのかもしれない。
「学ぶ」ということは「真似ぶ」から来ていると言われる。先人が営々と築いてきた知の体系をなぞり身に付けることにより豊かな人生を送る。これは誰も否定することができない事実だと思う。小中学の義務教育で習うことは概ねこれに属する。98%の生徒が高校に行く現在、高校教育の内容もこれに含まれるだろう。一見無味乾燥に見える教育内容も人間が生きていく上でなくてはならないものである。小学生用のプリント教材にドリルと名のつくものがある。これは訓練を意味し、言いえて妙である。
近ごろ学ぶ意義についてこう考えるようになった。学ぶということは「現状の自分と夢・志を結ぶ架け橋である」と。もっと具体的に夢・志を目的と置き換えてもよい。経営学で言うところの経営戦略論に相当する。つねに何時までに何をどう行なうかが問われる。学ぶということを通して私たちは戦略的に物事を考え実行する訓練をするのである。これは学問のみならすスポーツや習い事などにも通ずる普遍的なものと言うことができる。良い結果は優れた戦略とその実行力にかかっている。
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