自学自習のコツをつかむには - 金沢市・野々市市・白山市の塾なら東大セミナー
2022.08.26勉強法

自学自習のコツをつかむには


皆さんこんにちは。

東大セミナーの北川です。

今回は、「自学自習ができる、そして勉強が好きになる、1つのヒント」をテーマにお話しします。

 


目次

1.『数学ガール』との出会い

2.「心に良き教師を持つこと」 が学びを深める

3.おわりに


 

 

1.『数学ガール』との出会い


生きていると、様々な人やものとの出会いがあります。その中でも幾つかは、いわゆる「かけがえのない出会い」として、心に深く刻まれたり、その後の人生の指針になったりします。

生徒の中にも、例えば「学校の〇〇先生に教わるようになってから国語ができるようになった」とか、「塾の□□コーチと話したら社会が分かってきた」とか、得意科目を作ってくれるような人との出会いを果たした子もいます。

また、勉強への興味を持てる「本」との出会いがあった生徒もいます。気に入った小説を読んでいたら国語が好きになったという子がいますし、子ども向け実験系の本を読んでいたら理科が好きになったという子もいます。

そんな中でも、『数学ガール』[1]と出会っている子は一定数いるように思えます。内容が少し難しめの数学を含んでいるため、読んだことあるよ! という子は中学生以上が主ではあります。それでも、指導しているタイミングで話題に出すと、「家にありますね」とか「目を通したことはあります」と言ってくれる子はポツリポツリといます。

私事で恐縮ですが、私もこの本を高校生の頃に読んでおりました。現在の高校生も同じ本を読み、感動したり衝撃を受けたりしているという事実は非常に感慨深いです。

さてこちらの『数学ガール』ですが、私はその魅力を語る際に、「問いかけのやり方が上手いよ」という説明をします。とりわけ、主人公よりも数学の知識が少ないキャラクターに説明するシーンの「問いかけ方」は、教える側として教科問わず参考になります。

今回は『数学ガール』に学ぶ形で、「自力で勉強するときの学びの深め方」をテーマにお話しいたします。

 

 

 

2.「心に良き教師を持つこと」 が学びを深める


早速ですが、皆さんはこんな風に考えてはいないでしょうか?

・自習は勉強のできる子がやるもので、勉強が苦手な子は自習なんてできない

・自習しなくても、授業だけちゃんと聞いていれば勉強が分からなくなることはない

 

問い合わせなどで受ける質問の中に、「自習の形がメインなんですか?」「授業はしないんですか?」というものは数多くあります。裏を返せば、これは「自習で本当に学力がつくの?」という疑問あってのことだと思います。

それに対しては、「自習は、勉強を自分のものとするために必須の行動である」「自習ができない子は、やり方を知らないだけかもしれない」と言えます。理由は単純で、授業と復習だけではせいぜい「授業で教わっただけのこと」しか身に着かないからです。

逆に、授業で教わった以上を身に着けようと思ったときには、授業以外で自ら学ぶこと、即ち自習が必須だと言えるのです。

 

では、効果的な自習のやり方とは何でしょうか?

「授業でやったところのなぞり直し」「とりあえず問題を解いて丸付けて、分からないところは飛ばす」という方法では、授業と変わらない、もしくはそれ以下の効果しかもたらさないでしょう。

効果を上げるためには、まず「自分はどこまでを理解していて、どこからが分からないのかを知る」ことが必要です。『数学ガール』においては「理解の最前線」という言葉で表現されていますが、自習は「理解の最前線」がどこかを確かめながら進めるチャンスなのです。

例えば、二次方程式の問題を解いていて、何か今一つ解けない問題があるなあ、と思ったとします。この時、「二次方程式の解き方が分からん!」ではまだ足りていない状態です。一歩進んで「ここまでの問題は因数分解を使って解くやつで、これは解けている。でも、解の公式を使って解くやつになると全滅している。ということは、自分に足りないのは解の公式を使う問題のやり方か!」となれば、自分の理解の最前線を知った、ということになるでしょう。

「漠然とした分からない」が、「絞り込まれた分からない」になれば、手がつけやすそうに思えませんか?

 

さて、理解の最前線を知るためにはどのように手を打てばよいのでしょう?

大きなポイントとなるのは「問いかけ」です。自習での問いかけですから、主には自問自答ということになります。具体的には、以下のような問いが参考になりやすいでしょう。

 

・「この問題で求めたいものは何?」「分かっているものは何?」と、ゴールやスタートを確認する問い。

・「問題文で与えられている条件を言い換えると何?」と、条件を整理する問い。

・「似たような問題を見たことはない?」「その問題の解き方はどうだった?」と、類題を確認する問い。

 

これは、東大セミナーでもコーチが生徒の理解を確認する際に、よく使用する質問になります。それを自分で自分自身に投げかけることで、理解が深まり、成長に繋がるのです[2]

 

 

3.おわりに


今回は『数学ガール』から、「理解の最前線」と「問いかけ」の発想法を紹介しました。

手段としての自習をより良いものにできる一助となれば幸いです。

 

 

[1] 結城浩氏の著作。数学に興味を持つ主人公、数学が得意な才媛ミルカさん、数学に苦手意識を持ちながらも理解しようとするテトラちゃんの3人が、数学の世界を「旅する」作品。シリーズ第1作の初版は2007年で、登場キャラクターを増やしながら、最新作は現在(2022年)に至るまで続く。

[2] 『数学ガール』では、このような問いかけが頻繁になされています。そして、1つずつ理解の最前線を先に進めながら、読者もそれを追体験することができるわけです。

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【記事監修者】塾長 柳生 好春


1951年5月16日生まれ。石川県羽咋郡旧志雄町(現宝達志水町)出身。中央大学法学部法律学科卒業。 1986年、地元石川県で進学塾「東大セミナー」を設立。以来、38年間学習塾の運営に携わる。現在金沢市、野々市市、白山市に「東大セミナー」「東進衛星予備校」「進研ゼミ個別指導教室」を展開。 学習塾の運営を通じて自ら課題を発見し、自ら学ぶ「自修自得」の精神を持つ人材育成を行い、社会に貢献することを理念とする。

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