みなさんこんにちは。東大セミナーの大木です。
今回は、大学受験がテーマです。まだ高校受験までしか体験したことがない生徒・保護者様にとって、大学受験は未知のテーマだと思います。もちろん大学受験に関する情報を入手されているとは思いますが、高校受験と大学受験にどれほどの違いがあるのかを、数値を含めてしっかりと把握、認識されている方は少ないと思います。
大学受験は、公立高校受験とは全くの別物であり、非常に厳しい戦いです。両者の差異として、大きく下記の項目が挙げられます。
高校受験は、原則県内の同学年の生徒たちで競い合います。一方で大学受験は、全国区の戦いになります。したがって、2021年石川県公立高校入試の一般入学受験者数が6,583名であったのに対し、2021年国公立大学一般選抜の確定志願者数は425,415名と、当然ながら大学受験は桁違いの規模になります。また、大学受験では、浪人生も現役生のライバルとして立ちはだかるため、異なる学年での混合戦となります。
高校受験は、基本的には公立中学校出身者同士で競い合いますが、大学受験は私立高校、公立高校、国立高校、私立中高一貫校と、様々な学校の出身者同士で競い合います。在籍高校によっては、偏差値やカリキュラム進度が大きく異なるため、より弱肉強食の戦いが繰り広げられるといえるでしょう。
例えば石川県の公立高校入試の場合、2020年入試で1.01倍、2021年入試で0.98倍と、「原則合格できる入試」といえます。もちろん県内上位高校に絞ってみると、倍率は上がりますが、それでも1.31倍(2021年入試における泉丘、二水、桜丘高校の総一般入学受験者数を一般入学合格者数で割った数値)と、10人受験して7.6人合格できる入試であるため、やはり「原則合格できる入試」といえます。一方で大学受験の場合、国公立大学の一般選抜倍率は2020年で4.4倍、2021年で4.3倍と、10人受験しても2.2人しか合格できない、「原則不合格の入試」であることがわかります。
公立高校入試は5教科均等配点で1次試験のみという形式ですが、大学入試は5教科非均等配点かつ、1次試験と2次試験の2回試験を受ける形式に変化します。また、1次試験と2次試験において、どの科目を受験し、配点が何点なのかは、大学によって異なるため、生徒ひとりひとり異なる戦略を持つ必要があり、準備にかかる時間と求められる学習計画の精度は高校受験のそれとは比べ物になりません。
ざっと紹介しただけでも、これほどまでに両者は異なるのです。
であれば当然、高校入試と同じペース、同じスピードで準備していても間に合いません。
そこで今回は、そのような厳しい戦いである大学受験に向けて万全の準備を整えるための学習計画についてお話しします。
目次
先日、2年ぶりに実施された全国学力テストの結果が公表され、石川県は小中学生共に全科目全国1位という素晴らしい結果でした。石川県をはじめとする北陸三県は、伝統的に小中学生の学力テストの結果が極めて良く、今回の結果が特別というわけではありません。
ですから、今回のニュースを聞いて、ほとんどの方はそれほど驚きを感じなかったのではないでしょうか。では、こんなニュースが流れたらどうでしょう。
「石川県、東大合格者数全国1位。」
小中学生の学力テストの結果からすると、実現してもおかしくない実績ですが、おそらく多くの方が相当驚かれるはずです。━なぜか。
それは、大学実績においては、石川県は小中学生の学力テストほど強いとはいえないからです。理由はいくつかありますが、最も大きな理由の一つに、先取り学習が出来ないことが挙げられます。
次のデータをご覧ください。
開成高等学校 144名
灘高等学校 97名
筑波大学附属駒場高等学校 89名
麻布高等学校 86名
聖光学院高等学校 79名
西大和学園高等学校 76名
桜蔭高等学校 71名
渋谷教育学園幕張高等学校 67名
東京都立日比谷高等学校 63名
駒場東邦高等学校 56名
これは2021年入試の高校別東京大学合格者数ランキングTOP10です。
TOP10のうち、8校が私立高校という結果です。
私立高校の強みといえば、中高一貫教育による、先取り学習です。
したがって、先取り学習の有無が、大学合格実績に直結しているといえるのです。
大学入試は、全国との戦いです。したがって、履修速度が遅いということは言い訳にならず、そのままそっくりビハインドになります。ですから、難関大学を目指す場合は特にですが、ライバルたち(中高一貫校の生徒たち)に遅れを取らないような学習計画を立てて実行する必要があります。
そこで大切なのが逆算思考です。
高3生の2月25日から逆算して、いつ何をすべきなのかを予め考え、学習計画を作成しておきましょう。
では、大学受験成功に必要な学習ステップを逆算して具体的にみていきましょう。
第一志望校の出題形式に合わせた模擬演習をこなす。これまでに修得した力を時間内に発揮するための最後のトレーニング。
共通テスト型模試の大問別演習や類題演習、国公立二次の単元ジャンル別演習を通して、弱点を補強する。
大学入学共通テスト・国公立二次試験の過去問演習10年分を実施し、出題傾向・レベルを把握したうえで、現状と目標の差分を明確にし、今後の学習方針を再編する。
出題形式の類型を整理し、多様な解法パターンを修得する。
理解した基本概念・思考方法を使いこなせるように演習を積む。
基本概念・思考方法を理解する。
大別すると、上記のような学習ステップが挙げられます。これを入試全科目に当てはめながら学習スケジュールを逆算して作成すれば、中高一貫校のライバルたちにも負けない力を身につけることが可能です。
上記学習ステップに合わせた学習計画を作成してみると、先取り学習の必要性を実感できると思います。例えば、非中高一貫校の生徒は高校1年で数学ⅠAを、高校2年で数学ⅡBを、高校3年で数学Ⅲを(これは理系生徒のみ)履修します。しかし、ここでの履修は、概念理解、問題演習の学習ステップに留まることがほとんどです。そうすると、数学ⅠAから数学Ⅲまでの他の学習ステップを高校3年の夏休み以降に一気に実施しなければならなくなりますが、受験科目は数学だけではありません。そうすると、受験全科目を上記学習ステップに沿って学習することは困難になります。
それを解決するには、先取り学習を実施するのが最も有効です。そして実際に中高一貫校の生徒たちはそれを実施しているからこそ、効率的かつ計画的な学習を実現し、桁違いの大学合格実績を叩き出すことができているのです。
とはいってもなかなか自分一人ではそのような学習計画を作成するのは難しいかと思います。そんな時は是非東大セミナーの先生を頼って下さい。高等部の担任は、大学受験のプロばかりですので、万全な学習計画の作成をお手伝い致します。
そして、上記学習計画をしっかりとこなしていくためには、一日でも早い方が良いです。一日でも早く大学受験勉強に取り組むことも大学合格可能性を最大化するための必要条件の一つですからね。今何年生であるかは関係なく、是非今日から全員受験生としての意識を持ち、本気で大学受験勉強を開始して下さい。
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