皆さんこんにちは。東大セミナーの川本です。
共通テストやセンター試験の過去問を演習する機会も増えてきました。
地理と言えば、理系の生徒がよく選択する科目ですね。
さて、かく言う私、中学時代、実は東南アジア辺りで興味がなくなりまして、地理は30~40点程度でした。
そんな私が、高校時代S先生の出会いによってセンター試験地理が97点まで成長したのです。
今回はその内容を共有いたします。
まず前提として、地理は「暗記」する科目ではありません。
もちろん、暗記も必要です。
しかし、それこそ「〇〇市△△町3丁目12-1には何があるでしょうか?」といった問題が出題されるわけでもありません。
同じ人間が、その環境に応じて生きていくために、どのような営みを行っているのかと考える。
地理は「論理」の科目です。
ただそのためには、3つのことを整理しておく必要があります。
「三角州で有名な広島県の…」に対し、「広島ってどこだっけ?」となると、さすがに話が進みません。
国であれば、アジア・ヨーロッパは最優先。
南北アメリカ、アフリカ北部もできれば押さえたいですね。
47都道府県はもちろんですが、旧国名を整理できていると、より対応しやすくなります。
薩摩半島・薩摩芋、伊予柑、土佐犬、阿波おどり、讃岐うどん、濃尾平野(美濃尾張)などなど。
「内陸県8県全て答えよ」と言われて、全て書けますか?
この問題、結構できない生徒も多いですね。
実は、白地図があれば即対応できる方が多いのではないでしょうか。
地名だけではなく、白地図を利用して位置も合わせて対応してください。
「〇〇県について3つ」「△△国について3つ」答えることを目指しましょう。
観光地や特産品、工業製品や地形など。
必要があればインターネットを利用して世界遺産や図・動画を見ることもお勧めします。
各都道府県、各国、イメージできるかどうかが共通テストの鍵となります。
ケッペンの気候区分を用いて、気候と海流を整理しましょう。
特にB(乾燥帯)と暖流の位置です。
できれば地球規模の大気の流れと合わせて整理しておくと、より対応しやすくなります。
中でも乾燥帯だとアフリカ東岸、オーストラリア(合わせて西岸海洋性気候の配置も覚えましょう)。
海流だと北大西洋海流、南オーストラリア海流です。
というのも、気候と海流を整理できると、農業と漁業が整理できるからです。
砂漠に田んぼを作って稲作する人はいません。
各地、気候にあった農業を行っているだけのことです。
造山帯とは新期造山帯・古期造山帯、そして安定陸塊のことです。
こちらは主に資源に繋がります。
新期造山帯は石油(天然ガス)、古期造山帯は石炭、安定陸塊は鉄・ボーキサイト・銅・金などです。
石油や石炭は化石燃料と言われますが、あれは化石です。
元が何かを考えると時間がかかるものとかからないものに分けられるため、上記造山帯にほぼほぼ連動しています。
そして資源がわかると、産業に繋がります。
自ずとその周辺の産業(工業など)が予測できるものです。
勉強は「一般化」「抽象化」が必要です。
全てを覚える「暗記」ではなく、まとめることで「整理」できます。
では、上記知識をまとめたうえで、どのように問題を解くのか。
上記知識整理が不足しています。
演習ではなく、素直に上記1-1~1-3に時間をかけてください。
大丈夫です。まだ間に合います。
問題を解く際に、本文中の資料(地図や表)から切り落とせる選択肢に×を付け、その後知識や思考で判断した解答に〇を付けます。
間違った場合は、×で間違ったのか、〇で間違ったのかにより対策が変わるはずです。
間違った問題の解答を確認し、「なぜその選択肢になるのか」2つ理由を作るという学習法です。
他の選択肢を消去できる理由+その国の特長から判断する、など。
共通テストの解答は言わばこの世の事実ですから、結局のところ必ず理由付けができます。
慣れてくれば、普通に問題演習をしている最中にも、上記「2つの理由」を付けることで、確実に正答率が向上します。
上記以上の知識を求められています。
宗教や民族を整理する、また南米や島国について動画などでイメージを付けるといった作業を継続すると、じわじわと向上します。
大学受験において、地理の学習ではテキスト・地図帳・データブックを片手に問題集(参考書)を進めることが多いと思います。
テキストは系統別にまとまっていることも多く、所謂地誌を学ぶには最適です。
しかし60点を超えてくるところまで知識が蓄積すれば、ここからは問題演習を行ったうえで、上記にもあるように、「なぜその選択肢になるのか」2つ理由を作るために、テキスト・地図帳・データブックを利用するという学習が効果的です。
私は地理専門ではありません。
そのため、上記方法はあくまでも共通テスト地理の対策です。
しかし、私たちには「考える」という能力があります。
全ての武器・道具を持って無人島へ行くのではなく、必要最小限(増やしても何も問題はありませんが)から必要な道具を作る方が、文部科学省の求める「思考力・判断力・表現力」に対応できるのではないでしょうか。
Copyright ©金沢市・野々市市・白山市の塾なら東大セミナー All Rights Reserved.