先日、あるユーチューブで
帝国データバンクが毎月行っている
「新型コロナウイルス感染症に対する
企業の意識調査」の存在を知った。
調査期間は2020年12月16日~2021年1月5日、
調査対象は全国2万3,688社で、
有効企業数は1万1,479社(回答率48,5%)。
2020年2月から毎月実施し今回で11回目になる、
とあった。
本調査のまとめを要約すると、
新型ウイルス感染症により
業績にマイナスの影響があると見込む企業は、
2カ月連続で8割目前の水準で推移している。
業種としては「旅館・ホテル」や
「飲食店」が厳しい状況である。
一方、外食需要に対する内食需要が
後押ししてスーパーマーケットなどの
飲食料品を中心に好調であった。
また、事業の業態転換の実施有無については
5社に1社(20.3%)は
事業の業態変化を行う予定があり、
なかでも企業の4.4%はすでに
業態転換を行っていた。
他方、7割超(72.2%)の企業は
業態転換の予定がなく、
既存事業の強化を進めるとし、
他に資金やノウハウがないことが
障害となっている様子も浮き彫りになった。
また、新型ウイルス感染症による業績への影響で
4.2%の企業がプラスの影響があったとしている。
この上位10業種は
各種商品小売(39.6%)、
放送(17.6%)、
飲食料品小売(15.4%)、
飲食料品・飼料製造(12.4%)、
教育サービス(11.5%)、
電気通信(11.1%)などであった。
これを紹介しくれたユーチューバーは
コロナ禍の状況にあって、
この期に及んでまだ7割の会社経営者が
業態転換の予定がないとしていることに
驚き嘆いていた。
政府の成長戦略会議のデービット・アトキンスは
菅内閣への政策提言において
影響力を発揮していると伝えられるが、
要は生産性が低く競争力の弱い中小企業は
無理に存続・保護する必要はなく
大企業に吸収されるか淘汰される方が
日本経済の発展にとってよいとする
考え方を持っている。
確かに、ここ20年の1時間あたりの賃金増加率は
ニュージーランド(84%)、
イギリス(80%)、
アメリカ(74%)、
オーストリア(73%)、
スウェーデン(71%)、
デンマーク(70%)、
スペイン(68%)、
フランス(64%)、
などと比較して
日本はー5%となっており問題視されている。
これは偏に日本の中小企業の
生産性の低さからきており
最低賃金の大幅アップが
アトキンスらによって主張されている。
その言い分は
「最低賃金の引き上げによって
各企業は否応なく生産性の向上に
取り組まざるをえなくなり、
結果として競争力が強くなる」にある。
最低賃金の引上げは隣国の大統領の
初期の目玉政策であったが
大きな成果を挙げたとは寡聞にして知らない。
むしろこれが原因かどうかわからないが
隣国経済の沈滞が続いていると
識者の見解を目にする。
しかし日本の中小企業の生産性の低さについては
今後とも改善に向けて努力する必要がある。
このままで良いはずがない。
このような状況の中で実に7割の企業が
業態転換の予定がないというのは
ユーチューバーならずとも
心もとない限りである。
私たちが属する「教育サービス」を扱う企業では
いち早くオンライン授業などを取り入れ
コロナ禍にあっても逞しく活動している。
教育という普遍的な価値の追求とともに
時代のニーズに応えられる
企業であらねばならない。
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