こんにちは、東大セミナー金沢南校の山田です。
英語は「英文いっぱい読んで慣れる」だけでは点数は伸びないということをお伝えしていきます。
目次
3長文を速く読むことができない原因①単語・イディオム・文法事項の暗記が不十分
4長文を速く読むことができない原因②構文・文構造の把握力が不足している
5長文を速く読むことができない原因③英語の文章構成・問題構成に慣れていない
高校3年生の皆さんは学校内で行われる実力テストに加え、進研模試や河合塾の全統マーク模試など、実力が試される試験をいくつか受験されたと思います。その試験の中で、「英語の長文読解が読み切れないもっと時間があれば解けるのに…」と思った人も多いのではないでしょうか。金沢南校の生徒には先日、共通テストそのものを受けてもらいましたが、「読み切れない…。分量が多すぎる…。」という生徒の声が多く上がってきました。
また振り返りとして、速く読めるようにするために「英文をいっぱい読んで慣れます」という声もたくさん聞きました。「いっぱい読めば速く読めるようになる」は本当でしょうか?
長文が速く読むことができない原因は大きく分けて3つあります。自分の速く読むことができない原因・課題がどこにあるのかを分析して解決していかないことには、「とにかくいっぱい読む」という対策方法を実施しても、速く読めるようになった気がするだけで、点数は一向に伸びません!
①単語・イディオム・文法事項の暗記が不十分
②構文・文構造の把握力が不足している
③英語の文章構成・問題構成に慣れていない
まず①からみていきましょう。皆さんに想像して欲しいことがあります。今から2つの300語程度の長文を読むとします。内容は日常会話のよくあるシーンを想定した文で、それほど難しいくない。1つ目の文は中学校でならった単語のみ。2つ目の文は高校生でならう単語も含まれる文。さて、どちらの方が速く読めるでしょうか?
当然、中学校でならう単語だけの文だと思いますよね。ほとんどの人がそうだと思います。それはなぜでしょうか?
単語が簡単だから…。自信がある単語だから…。理由はいくつか思いつくかと思います。
すべて正解です!では、高校の単語はそうなっているでしょうか?中学校でならった単語は「簡単」で「自信がある」状態なので、速く読めるわけですよね。もう少し具体的に、中学校でならった単語のように何度も反復して見たり・聞いたり・実際に英作文で使ったりしていれば、単語の意味や使い方を思い出すスピードも速くなります。ほとんどの高校2年生は進学校に通っていれば、英単語帳を1周~2周、勉強しているはずです。
学校で行われる小テストを含め、単語を頑張って覚えている人もいると思いますが、とりあえず思い出せる状態と、中学校でならった単語のようにすぐに思い出せる状態では、長文読解においては、かなりの時間差になります。「5秒以上かけて思い出せる単語」と「0.1秒で思い出せる単語」、前者が多ければ多いほど、長文読解には時間がかかります。また単語の話なると、「わからない単語があっても文脈で判断しています」という生徒も多くいます。もちろん、試験当日に点数を出すために最善を尽くすのは大切なことです。
しかし、準備の段階で、文脈で判断できるから、単語を完璧にする作業はしないという選択をするのであれば、かなり危険です。なぜなら、文脈から判断した単語の意味が見当違いだった場合、長文の主旨を掴み損ねる可能性がありますし、文脈から考えている時間が読むスピードを低下させているからです。
共通テスト(旧センター試験)レベルまでであれば、単語帳に乗っていない単語はほぼありません。国公立二次試験や私立大学入試試験であれば、文脈から判断する力も必要ですが、学校の実力テストや模試レベルでは、すべての単語を理解している状態でなければいけません。その段階にないのに「とにかくいっぱいよんで慣れる」という対策はまだ早いです。
単語・熟語・文法事項の暗記が不十分という状況はまっさきに解決しなければいけません。しかし、悠長にしている暇もありませんよ!単語の修得期間と入試の英語の得点率には大きな相関があると言われています。
こちらのグラフは東進の英語の基礎基本をマスターするためのシステムを修了した時期別のセンター試験受験者の平均得点となっています。金沢大学、難関国公立、早稲田・慶応といった有名私立大学を目指すのであれば高2の3月末までに英語の基礎基本は押さえなければいけません。単語や熟語を速く正確に思い出せるようにするためには、アウトプットが非常に重要なります。そう、「テスト」です。学校でもらった単語帳で日本語を赤シートなどで隠し、意味が分かるかどうかというチェックしていきましょう。「書いて覚える」というのはインプットの段階です。すっかり忘れてしまっていたという単語であれば、書いて覚えるのはありでしょう。
しかし、今までならった単語を「0.1秒」で思い出せるようにするためには何度も何度もテストすることが一番です。単語の修得状況は人によって違うと思いますが、単語に自信がないという人は学校の単語帳を3月最終までに3周はしましょう。英語の試験の見える世界が変わりますよ
また、今なら東進衛星予備校の誇る、単語の高速暗記システムである「高速基礎マスター」が無料で利用できます!このシステムを使えば1週間で高校英単語を総暗記・総復習できます!高速基礎マスターでは、ITを活用し、効果的な単語テストがネイティブ音源付きで実施されます。
単語テストを繰り返すことで、ITに自分の単語の修得状況を記録させていき、最終的には自分の覚えていない単語のみをテストすることや、少し期間が空いて忘れてしまった単語をメンテナンスすることもできる最強のシステムです。
ネイティブ音源でリスニングの対策にもなり、効果的なITによる単語テストで単語を思い出すスピードも速くなるので、長文読解のスピードをあげるための最強なシステムとなっています。是非、この機会にご活用ください!
まず、次の文を訳してみましょう。「えー」と思った人もとりあえず見てみてください。単語を調べても良いです。訳せるでしょうか?訳せた人はGOOD!十分に構造把握力必要ないかもしれません。5分悩んでも訳し方が分からない場合は英文の構造把握力ならびに構文の知識が不足しています。
Education must not be limited to our youth but must be a continuing process through our entire lives, it is only through knowledge that we, as anation, can cope with the dangers that threaten our society.
ポイントはいくつかありますが、not but の構文、 it is that の形で強調構文になっていることです。また、副詞句の挿入があり、訳し方に悩むかもしれません。
(例)
教育は若い時代に限られておらず、われわれの全生涯を通じ継続して行われるものでなければならない。なぜならば、知識を通じてのみ、我々は、一つの民族として、われわれの社会をおぼやかす危険に対処することができるからである。
構造把握力が足りていなければ、「読める文は読めるけど、読めない文もある」状態です。例えば、「時間をかけて読んだけど、内容が頭に入ってこない」、「繰り返し読んでしまう文がある」といったことに心当たりがある人は、構造把握力や構文知識が足りていません。
言わずもがな、構造が正確に把握できなければ、内容を正しく読み取ることができません。その結果、なんども段落を読み返したり、内容を文脈で推測したり、と「英文を読む」という作業とは違うところに時間をかけてしまい、速く読めない原因となっているのです。
入試問題は本当にうまくできていて、構造が複雑な文は長文のなかに必ず入っています。そして、構造が複雑な文が設問に関係していることも多いのです。全体がなんとなく読めていても、設問に関係している文を正確に掴めなければ、速く読んだところで、問題に正解することもできなくなってしまうのです!
構造把握力や構文知識を身に付けずに、とにかく読む練習だけをしていると、題材によってはすんなり読むこともできて、なんとなく速く読めるようになった気持ちになります。 非常に危険です!上記の通り、設問に正しく答えらず、速く読めるようになってきたのに点数に結びつかない!ということにもなるのです。
構造把握力が求められる文・構造が複雑な文とは何かということを考えるところから始めます。
この3点に共通するのは文が長くなるということです。長くなる原因がこの3つであるといってもよいです。準動詞を利用すれば、文の要素どこでも文字が多くなります。また、準動詞の中で節を作り出すこともできるため、複雑になりやすいです。また、接続詞や関係詞は節(主語・動詞で始まる1文のこと)を導く詞ですから、必然的に文が長くなります。特殊構文が使われるケースでは、その構文の構造を知らなければ、どこから訳したらよいのか分かりません。
まずは、準動詞・接続詞・関係詞・同格といった文法単元がよくわかっていなければ、そこから復習しましょう!復習の仕方は学校でもらっている分厚い参考書(forest、beなど)の各単元の説明を改めて読み、不明な点は質問するようにしましょう。
次に、特殊構文を使った文に関しては「英語構文〇〇」といった参考書が多く出ていますので、そちらを参考にすると良いです。自分の知らなかった構文に関しては、例文を声に出して、覚えていきます。
そのうえで、「精読」を実施します。精読とは一つの文を構造分解して、文の要素に分けたうえで言葉の意味をつないでいき、構造的に正しく訳す練習です。題材は教科書でも模試の見直しでも、問題集でも構いません。しっかり構造が掴んだうえで訳せているか、模範解答と照らし合わせて行きます。自分の訳に自信がなければ、英語の先生に見てもらいましょう!
東大をはじめ、国公立大学の2次試験では英文和訳の問題が出る大学がありますが、この精読をすることで、得点源にしていくこともできます。また、構文の知識はそのまま英作文にもつながります。
私が担当してきた英語が伸びきらない高校2年生(新高校3年生)の多くが、この構造把握力に課題があり、解決した途端に英語の得点が飛躍しました。
ちなみに、5文型・文の要素・品詞・節・句といった言葉の意味や使い方が分からなければ、解説や参考書の内容を正確に理解することはできません。もし、なんとなくでこれらの事項を済ませているようであれば、まずは5文型から勉強していきましょう!
東進では、構文把握力を飛躍させる授業を揃えています。なかでも安河内哲也先生の「基礎から偏差値アップ」という授業は、まさに文法は一通り学習し、精読に移っていく段階にある生徒におすすめです!楽しく明るい授業で、英語嫌いな生徒も英語が好きになる、安河内先生の授業で是非点数を上げてください!今なら「基礎から偏差値アップ」の授業を5回まで無料体験できる「新年度招待講習」を実施中です。是非校舎にお問合せください!
英語にはある程度決まり切った、文の型(展開)があります。日本の文では「起承転結」という型があり、この型に当てはめて文を作成すると、分かりやすく面白い文が書けるというものです。英語にも、多くの人が分かりやすいと感じる文の型(展開)があります。もちろん、日本人が書いた文すべてが起承転結の型になっているわけではないように、英文でも例外があります。共通テストの大問1に登場するような、対話文・広告文・案内文はその一例です。しかし、それらを除けば、大学入試に出題される長文はほぼ同じ展開です。
この型(展開)を理解して、段落ごとの役割や意味を知っていれば、文全体の要旨が分かりやすくなり、速く読むことにつながります。逆に言えば、語彙を修得して、文構造の把握力を高めたとしても、一文一文を正確に訳す力しかなければ、訳せたけど、文全体の意味が掴めず、全体を通した問題に正解できないことになります。これが、速く読めない原因③「英語長文の型を理解していない」です。 では実際、その型とはどんなものか、説明していきます。
入試で出題される論説文は、必ず1つのテーマを取り上げ、それについて論じています。そして、その文章全体を通じて、筆者はそのテーマに関する自分の主張を、読者に十分に理解・納得してもらうように文章を構成します。具体的には次の3つの構成で成り立ちます。
Intoroduction(導入):テーマの提示・問題提起・筆者の主張 ⇒最初の1段落
Body(本論):主張の根拠+理由 ⇒途中の段落
Conclusion(結論):筆者の主張(言い換え) ⇒最後の段落
基本的には、最初の段落で筆者の主張が入ってきます。そして、その後主張を根拠づけ、読者にイメージを沸かすための具体例が記載されます。最後の段落で、まとめとして主張を繰り返します。
こうした構造を把握することがなぜ大切かというと、英文に知らない単語が出てきて、文の意味が読み取れなかったとしても、その文が果たしている役割(=根拠となるデータを示す、例を挙げる、など)さえ理解できれば、文章全体の主旨を理解する上では障害とならないのです。これは英文を読むスピードを上げるためにも、効果的なテクニックとなります。このように、論説文での「論」の展開がしっかり頭に入っていれば、読解するということがとても楽に感じられるようになるはずです。
型を理解しても、実際に模試や入試で読解に活かすためには良問で展開を肌身で感じながら演習することが必要になります。 東大セミナーでは高校生向け指定教材として、元東進講師の福崎伍郎先生の「パラグラフリーディングのストラテジー」を扱っています。段落ごとに意味を掴む練習を行うのには最適な教材となっています。福崎先生は東進での授業はすでにされていませんが、映像コンテンツとしてストラテジーの授業を受けることができます。語彙も完成した、把握力もつけたけど長文で点数が取れないという生徒には最適な授業です!
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