こんにちは。東大セミナーの篠原です。
この記事では、
に引き続き、「授業の受け方」ついてご紹介します。
目次
学習の大きな要素には「予習」「授業」「復習」「テスト」があります。この「予習」「授業」「復習」「テスト」のサイクルの中で、学習において最も大切な要素はどれだと思いますか?
実は、「授業」授業が一番なのです。授業の時間が大切な理由は2つあります。
・小・中・高校生は、1日の生活時間の中で学校の授業を受けている時間が最も長いから。
・「予習」「復習」は本の解説を読む、ノートを見返す、など視覚から得る情報だけで
学習するが授業は先生の声などの聴覚から得る情報が多くあり、脳への刺激が大きいから
このことから、授業の時間を最大限活用することが学習を効率化することの近道と言えます。同級生の中に「あいつ、全然勉強しているように見えないけど、何故か成績が良い」という、いわゆる「頭の良い人」はいませんか?全然勉強しているように見えないのに成績が良い人は、授業の時間の使い方が上手いのだと思います。
授業の時間を最大限活用するために、従来の授業の受け方を見直してみましょう。ほとんどの方の授業の受け方というと、先生の話を聞いた生徒が板書を写し、問題を解くスタイルではないでしょうか。
しかし、板書だけを書き写したノートを見返して授業の内容を100%思い出せるでしょうか?授業レベルが高度になるほど、先生が口頭でしか伝えないことの中にも重要な内容が頻繁にでてくる傾向があります。
また、「エビングハウスの忘却曲線」という有名な曲線があるように人は単純な記憶の場合、1度覚えても次の日には7割忘れてしまうと言われています。
つまり、学んだことを定着させるためにはノートを見返し、そのノートから授業の内容を詳細に思い出すことが必要となります。ただ先生の板書を書き写すだけではなく、授業の内容を思い出しやすいノートを作ることが授業を制する鍵なのです。
授業の内容を思い出しやすくするためにオススメのノートのとり方をご紹介します。
上の見開きのノートの例では、ノートの左側は板書、ノートの右側のページは、ひたすら先生の話をメモするという風に決めています。「よーし、先生の話を全部漏らさずにメモするぞ」と目標を決めて授業に臨むことで、先生の話を聞くときの集中力が上がります。
実践してもらうと伝わるかと思うのですが、ただ板書を書き写すときと比べて、授業に向かうときの意識が全く異なりますし、板書への理解がそれまでと比べて一層深まります。そもそも、書くスピードと話すスピードだったら、圧倒的に話すスピードの方が早いですよね。先生が話すスピードについていけるように、なおかつ先生の話を聞き洩らさずメモするのって、結構ハードな作業です(利き手が痛くなるかも?)。「これまでただ先生の板書を写すだけだった」という方は、これを実践してみるだけでも学習の効果がとても上がるのではないでしょうか。
慣れてきたら、文字だけでなく図も用いてメモすると、視覚的にも知識が定着できますよ。
ノートの1番右側に「to doリスト」を書くスペースを作ってみましょう。これは「授業が終わった後にやることリスト」です。
ここには授業を聞いていてわからないこと・気になったこと・宿題の範囲を記入します。授業を聞いて「あれ、わからないな?誰かに聞こう!(調べよう!)」と思ったこともメモしておかないと忘れてしまうので、書いておきましょう。to doの欄には、質問するとしたら誰にするのか?なども細かく書くと良いでしょう。
自分が気になったこと・興味を持ったことをto doについて書いておくことで、授業後に調べてみることができます。自分が気になったこと・興味を持ったことを調べることで、「へ~、そうだったんだ!」と純粋に勉強を楽しむきっかけになります。自分が楽しんだり、興味が持てることには積極的にできるようになりますよね。
ノート見開きの左側、板書が書いてある部分の拡大図です。板書で先生が色分けした部分をオレンジペンで書くようにしてみましょう。オレンジペンで書いた部分は赤シートで隠せば消えるので、自分オリジナルの一問一答集ができ、復習の効率がグンと高まります。
ノートの1番左側の細長いスペースは「授業の内容でオリジナルのテストを作り、記入する欄」です。出題形式と解答という2つの視点から 考えることで、知識を定着させることができます。また、友達同士でテストを作り、お互いに出し合うことで楽しく勉強することもできますね。
例えば、ただ板書を写して授業を聞いているだけよりも、先生の書いた板書を3回唱えてから書く(心の中でもOK!)ようにすると、授業中に暗記できそうな気がしませんか。さらに、先生の書いた板書を3回唱えて、板書を暗記して書く方法もあります。こうすると、授業中に1回暗記して、復習することができることになります。記憶は反復復習を繰り返すことでより定着しやすくなります。意識を変えるだけで、よりしっかり授業の内容を記憶に残すことができます。
ここまでノートのとり方、授業の受け方を書いてきましたが、ここまで読んでくださった皆さんは、「なるほど!こういう風に授業を受ければ良いのか~」と思いましたか?それとも「いやいや、先生の話を全部メモしながら、板書を暗記って・・・絶対無理でしょ・・・」と思いましたか?
このノート術を実践したときに「先生の話を全部メモするのって無理、難しい~」「オレンジペンで書いたところを赤シートで隠したら、キーワードが全部消えて何がなんだかわからないよ~」などと、壁にぶち当たって上手くいかない場合もあると思います。
実際のところ、「ノートのとり方」や「効率的な勉強法」には本当に正しい正解というものが無いのです。
多くの人が、授業中、板書をノートに書き写すけれど先生の話そのものは必死にメモしないように思います。その理由を考えると、「黒板に書かれたことはノートに書き写さなくてはならない」「先生が口頭で伝える内容は、メモをしなくとも良い」と、多くの人が無意識に習慣化し、それを「正しい授業の受け方」だと認識しているからではないでしょうか。
私なりに、授業の受け方やノートのとり方を改めて調べるうちに考えたことがあります。もし、成績を上げるために授業時間を有効活用したいと考えるならば、無意識に習慣化していることを実行するのではなく、自分自身が、より良い授業の受け方を考え実行することが重要ではないか、ということです。理由は、上に挙げたノートのとり方・授業の受け方も他の誰かが「授業時間を最大限活用するには・・・!?」とその人自身が授業時間がより良くなるよう、考えて工夫したからこそ成功事例になったのです。
もし、上に挙げた例で実践して上手くいかなかったとしても「全部メモするのは大変だから・・・もっと自分なりに簡潔にまとめてみよう!」「全部メモするために、字は汚くなってもいいから、とにかく素早く書いてみよう!」など、「どうすれば今よりも授業時間を活用できるか」自分自身が主体となって考え、実践し、検証する姿勢が大事だと思いました。
突き詰めると、自分の学習の効果の高め方は人から与えられるものではなく、自ら試行錯誤し編み出すことが大切なのではないでしょうか。「なんだ!結局授業の受け方に正解は無いのか…」と思われるかもしれませんが、中学・高校・大学を経て、社会に出たときに試行錯誤する力はとても大切なものです。
次回は、「復習の仕方」についてお伝えします。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
・「高校生の勉強法」清水章弘
・ノートは何のためにとっているのでしょうか
http://www.tamagawa.jp/correspondence/about/column/detail_6694.html
・教育界にまんえんする「正解主義」を超えて「情報編集力」のある子どもを育てる
https://webronza.asahi.com/journalism/articles/2014040600003.html
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