近年、IQ(知能指数)に対して「非認知能力」が注目されている。知能指数では測れない協調性、共感力、忍耐力、逆境力など人間が生きて行く上で必要な能力を指している。教育界でいう「生きる力」もこの非認知能力が重要な柱である。一見、学習はIQと馴染むが非認知能力と無縁なようで果たしてそうであろうか。学習を単なる知識の獲得とすると確かに非認知能力とは相入れないかもしれないが、ある目標を立てそれに向かって計画を立て地道に努力することで非認知能力が高まるのではないだろうか。
問題は地道に努力することは多少なりとも幼少の頃からの非認知能力の強弱が影響すると考えられることだ。就学前の家庭教育の重要性が識者の間で盛んに論じられている。この非認知能力の養成に当たって参考になるのは、何と言っても本の読み聞かせや、本を読むことである。単に、本を読むだけではなく時おりその内容について発問するなど工夫も必要なようだ。これにより語彙力、共感性、想像力、知的好奇心が養われるとする。私の次男も3歳時にバイオリン教室で小林一茶の俳句を100首覚えた、覚えさせられた?
当時は果たしてそれが意味あることと認識できなかったが、結果として大学は理工学部に進んだのだが国語の偏差値が最後まで何もせずとも一番高かった。たぶん漫画のドラえもんも貢献したのだろう。どうして鍾乳洞ができたのかを諳んじて私に嬉しそうに語ってくれたことを思い出す。
東セミのヴォイスにある「人間の存在価値を認める」ことが重要である。褒めることが世間では盛んに推奨されているがこれが度を過ぎると他人の目、評価を過度に気にするようになりはしないかという懸念がある。
「あなたはそのままで素晴らしい」ということを繰り返し、自己肯定感につなげることが大切である。自己肯定感があれば多少の逆境も乗り越えられるはずである。最近、逆境を乗り越える力(レジリエンス力)が必要とされている。人生には大なり小なり逆境がつきものでそれを避けて生きられないからである。また、結果的に失敗しても、それにより進んでいる、成長している、役立っている、というように捉える自己効力感が注目されている。私たちが子供と接するに当たって特に大事なポイントである。
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