2020年の大学入試改革に向けて教育界も大きく様変わりするのではないか。知識偏重から思考力、表現力など発信力が問われることになる模様である。しかしながら6月23日の日本経済新聞に現在の学校教育についていけない生徒の対応に追われる先生方の苦心惨憺の様子が克明に描かれていた。そういう現場では今からあれこれ忖度するより目の前の現実にしっかり対応することの重要性が意識されている。理想と現実の狭間で先生方も悪戦苦闘をされている。
翻って学習塾の現状はどうであろうか。私は学習塾は近年これといった問題意識を持たず、旧態依然とした指導を続けてきたと考えている。集団授業だ個別授業だ衛星授業だ、といった授業形態別に単純に考えてきたことは間違い無く、教育内容と絡めて従来の指導形態を根本的に見直すことを怠ってきた。過去の業績にあぐらをかいて来たとの誹りを免れない。2020年の教育改革はこの学校を含めた指導のあり方にアンティテーゼを突きつけたのである。
私は塾経営者として直感的に危機感を感じる。何故なら今の指導形態は一部を除いて知識習得に最も適したものであるからだ。如何に効率良く短時間で知識を得るかという観点から見れば経験豊かで知識のある指導者から一方的に教わる方が良いからである。逆に言えば、思考力、表現力などを育てるには必ずしも適していないのである。学校教育を反面教師として発展して来た学習塾業界にも変革の季が来たのである。
これからは指導者と学ぶ者が双方向性のディスカッションを通して学んでいくアクティブ・ラーニングが主流になって行くと考える。先日、関西のある大学を見学する機会を得たがそこでは授業の1部にそれが取り入れられていた。生徒は事前に課題について調べ授業で発表する。教授はそれについて専門的知識に裏づけられたアドバイスを与えながら進める。東セミグループも少しずつではあるがアクティブ・ラーニングの導入を図りたいと考えている。
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