始まりがあれば、終わりがある。これは人生の鉄則である。出逢いがあれば、別れがある。これもまた然り。この五月に還暦を迎え、あと何年生きて、その間に何ができるかなどと考えるようになった。人間として生まれてきたからには、何か自分にしかできない使命があると考えている。ただ生きるために生きるのでは納得がいかない。これまで大勢の人々と出逢い多くの愛情にめぐまれ、自分なりに幸せな人生であった、と素直に思う。
まだ十年は仕事に打ち込みたいと念願するも、五年という中間点で達成感を得たいと思う。
言葉を換えれば「有終の美」を飾りたいと思う。それには、これまで培ってきた経験を活かし、果敢に挑戦する精神が求められよう。むしろ経験が阻害要因となり、行動が保守的となり、時代の変化についていけないことも往々にしてある。失敗を恐れない行動力が必須の条件である。この世に、自分が生きた証を少しでも残せたらこれに勝る喜びはない。
人生には、さまざまな節目があるが、高校時代、中学時代もその一つではなかろうか。大学受験、高校受験に必死になっている受験生も最後の正念場を迎えている。人間とは強欲なもので、あの時もう少し頑張っていればよかった、などと後悔する日がくる。実は、その時からやれば十分なのであるが、そこは人間、欲が深いのである。受験生には、いまの勉強が明日の自分を創ることを信じて「有終の美」を飾って欲しいものである。
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