物事を学ぶとき定性性と定量性が問題になる。勉強における集中力や持続力は個人の定性性の問題であり、確かに個人差が顕著である。よく勉強の質と量ということが言われるが質は定性性に関連し、量は定量性に関連する。定性性は一朝一夕に何とかなるものではなく長年の習慣、訓練が必要である。集中力のない生徒に「集中しろ」と言ってみたところで大きな効果が期待できない。「継続は力なり」の格言どおり日頃の行いがものをいうわけだ。その点、定量性については短期間においても何とかなるのである。
量においてライバルより明らかに劣るようでは勝負にならない。生活のリズムを崩さず一定の量の勉強を毎日キチンとやることが受験の勝利に結びつく。
プロと呼ばれる人になるには1万時間が一つの目安らしい。難関と呼ばれる司法試験においても一日10時間勉強を3年間続ければ合格の可能性が高くなり、将棋のプロになるにも1万時間が目安ということだ。東大も中学から高校にかけて1万時間勉強すれば大いに可能性がある。もちろん定性性も伴わなければならないが。そのことを将棋の永世名人、谷川浩司さん著「集中力」に紹介してあった。「集中力」といった定性性に関連することも実は量をこなして始めて身につくことを谷川さんは強調している。なるほどと思う。受験生はもちろん、非受験学年の生徒諸君にも虚心坦懐に耳を傾けてもらいたい箴言だ。
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