著者:西岡 壱誠
出版社:東洋経済新報社
詳細URL:https://str.toyokeizai.net/books/9784492047644/
算数や数学は「できる人」と「できない人」の差が最もはっきりする科目と言われています。しかし、この「できる」「できない」は生まれ持った特性やセンスで決まるのではなく、学習の土台である「算数」をどれだけ深く理解しているかにかかっているのです。小学生で学ぶ算数は、その後の中学・高校・大学受験で必要な数学へと繋がっています。この本では、「複雑な足し算を簡単に計算する方法」や「約数を見つけて割り算を単純化する方法」など、算数の奥深さを楽しみながら学ぶことができます。
昔、飲食店でアルバイトをしていた時、来店客の人数を伝票から集計する作業がありました。1枚1枚の伝票には、「1人」「2人」「3人」「4人」……などと、1組あたりの人数が書かれています。店長から「伝票を10人ずつの束に分けると集計が楽になるよ」と教えてもらい、実際にその方法で作業をすると、1枚ずつ足し算していくよりもはるかに楽でした。店長は自然と、計算を効率化する方法を身につけていたのだと思います。それが仕事の負担を減らすことに繋がっていたのです。
店長が元々算数が得意だったのか、忙しい「店長」という立場が自然に計算を効率化する技を身につけさせたのかは定かではありません。しかし、このエピソードを通じて、私も「算数は実生活に役立つ」と実感しました。
「算数や数学は社会で役に立たない」「四則演算ができれば十分」と感じている方も多いかもしれません。そんな方にこそ、この本を通じて算数に対する見方を変え、算数との距離を縮めていただけたらと思います。
日々、多くの知識やスキルを子どもたちは学びますが、それら全てが記憶に残り続けるわけではありません。それでも、学びそのものが子どもたちの人生の土台となり、困難な時や新たな挑戦の場で彼らを支える力となるのです。
塾での勉強は、単に成績を上げるためだけのものではありません。子どもたちがこれからの人生で直面するさまざまな局面で、柔軟に考え、問題を解決していくための「生きる力」を培う場でもあります。今は目に見えないかもしれませんが、彼らが将来どのような状況に置かれても、ここで学んだことが大きな助けとなるはずです。
保護者の皆様にも、子どもたちが日々努力しているその「学び」の意味を感じ取っていただき、今後とも温かく見守っていただければ幸いです。私たち東大セミナーは、引き続きお子様の成長を全力でサポートしてまいります。
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