皆さんこんにちは。東大セミナーの平子です。
今月のおススメ本は「精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方」です。
著者:樺沢 紫苑
出版社: きずな出版
価格(税込):1650円
目次
1.休日を楽しく過ごすことができていない人におススメの一冊
2.仕事ができる人は打ち込める趣味を持っている
3.良い遊びと悪い遊び
「最近、楽しさを感じたことは何ですか?」とふいに聞かれたら、ドキッとしてしまうのは私だけでしょうか。
博報堂生活総合研究所による生活定点調査(2020年、調査人数2597人)によると、「自分は無趣味である」と答えた人の割合は、26.2%。4人に1人が趣味がないという調査結果があります。日本人は、休日を楽しむこと、遊ぶことが苦手なようです。
これには、キリスト教では「仕事」は神様から与えられた「罰」であるのに対して、日本神話では「神聖」なものとしてとらえられてきた歴史的背景もあるようです。しかし、筆者はこの状況に警鐘を鳴らします。昭和の「高度成長」の時代には、国民一人ひとりが「経済成長」を実感でき、働くこと自体に楽しみを見いだすことができたかもしれませんが、この令和の時代を楽しんで過ごすためには、一人ひとりにあった「仕事」と「遊び」のバランスを調整していくことが必要になってきたというのです。
ちなみに、この本の中での「遊び」の定義は「仕事以外の楽しい活動」としています。家事や入浴、睡眠、運動なども楽しい時間であればすべて遊びです。
では、この「遊び」や「楽しむこと」にどれほどの効果があるのでしょうか。
実は、脳科学的にも実証されており、「楽しい」「美味しい」「気持ち良い」といったポジティブな感情が感じられると「ドーパミン」という神経伝達物質が分泌され、モチベーションが上がったり、記憶力や集中力が高まったりする効果があるそうです。逆に「つらい」「苦しい」といったストレスがかかる状況が続くと、「コルチゾール」が過剰に分泌され、モチベーションが下がったり、眠れなくなったり、記憶力が低下したりすることがわかっています。
つまり、「楽しい」と能力が2倍になり、「苦しい」と能力が半減するともいえます。
もちろん、仕事や勉強自体を楽しむ工夫もあってよいと思いますが、「遊び」で楽しさを感じることが必ずしも「悪」ではなく、それが仕事や勉強にも生かせると思うと、少しハードルが下がって取り組みやすく感じませんか。
さらに、遊びだからこそノーリスクでチャレンジを楽しめる、楽しめることだからこそ創造性が発揮され鍛えられるということもあるようです。実際に、「仕事ができる多くの人が、仕事以外にも夢中になれる趣味を持っている」と聞くと、頭の中にだれかを思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。
ここまで、「遊び」の必要性や効果についてご紹介してきましたが、どんなものでも良いというわけではないようです。
そこには、人が幸せを感じるときに分泌される3つの脳内物質が関係してきます。
①セロトニン:健康の幸福
②オキシトシン:愛・つながりの幸福
③ドーパミン:お金・成功の幸福
つまり、これら3つを増やす遊び方は「良い遊び」、減らしてしまう遊び方は「悪い遊び」といえます。
ですから、睡眠時間を減らすほどの遊びや長時間座りっぱなしの遊び、一人の世界で遊び続けること、依存して日常生活が送れないほどの遊びは、「悪い遊び」です。
逆に「良い遊び」の条件として、
①「楽しい」と思えるかどうか
②リラックスできるかどうか
③ストレス発散・リフレッシュできるかどうか
④運動や美術鑑賞・コミュニケーション(アウトプットの機会を持つ)を通して脳が活性化できるかどうか
が挙げられています。
ぜひ、これらを参考に、休日や余暇の過ごし方を振り返ってみてはいかがでしょうか。
また、お子様の「遊び」にもただ憂慮するだけでなく、「悪い遊び」を少しの工夫で「良い遊び」に変えることができるかもしれません。
ぜひご参考下さい。
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