皆さんこんにちは。東大セミナーの山田です。今回は、「大学入学共通テスト 古文攻略法」についてお伝えします。
古文は、中学までずっと演習問題をしてきた現代文や比較的点数の取りやすい漢文にくらべて、対策を後回しにしがちな(そして結果的に苦手になりがちな)単元です。しかし、古文は覚えることも少なく、現代文小説のように複雑な心情を問われることもないので、しっかり対策すれば安定して8割は確実にとれて満点も狙える科目です。今回は、古文を得点源にして国語の点数の底上げをするために、共通テスト古文の勉強法や解答のポイントについて紹介します。
目次
まずはじめに、共通テスト古文がどのようなものなのかを確認しましょう。
共通テスト古文は設問数は4~5問。問われる内容は、「語彙問題」「文法問題」「内容理解問題」です。
センター試験時代と比較して変化のポイントは以下の2点です。
・複数の文章が出題されることがある
・会話形式の設問がある
複数の文章が出題されるので本文の量はセンターよりも増加しています。二つの文章を比較する問題や教師や生徒の解釈をめぐる会話形式の問題があること、国語は80分の試験で現代文読解にある程度時間が必要であることを考えれば、古文に使える時間は15~20分程度です。古文高得点の秘訣は何よりも、本文を早く読むことと問題をスピーディに解く要領だということが言えるのです。
早く読むためには、単語や文法を確実に押さえておく必要があります。ここで、古文読解に必要な覚えるポイントを整理しておきましょう。覚えるべきポイントは以下の3つです。
・単語を覚える
・文法を覚える
・単語と文法を押さえたうえで、解く手順を覚える
英語と同様、単語がわからないと本文の意味が分からないので、単語のインプットは必須です。単語の意味そのものを問う問題も出題されます。単語の暗記と聞いてげんなりした人もいるかもしれませんが、古文で覚えるべき単語は英語ほど多くの単語は必要ありません。英語は共通テストの問題を8割以上得点することを狙うなら少なくとも3000語は必要ですが、古文は500程度。単語暗記の日を決めて30個ずつ覚えていけば、予備日を入れても1か月あれば十分です。
単語の覚え方は、清水章弘氏の「返し縫い記憶法」がおすすめ。まず、学校で使っている単語帳を用意して10語ずつに分けましょう。
①10語を2分で覚えて、覚えた単語を1分でテスト
②次の10語を2分で覚えて、覚えた単語を1分でテスト
③はじめの10語に戻って1分でテスト
④3つめの10語を2分で覚えて、覚えた単語を1分でテスト
⑤2つめの10語に戻って1分でテスト
⑥3つめの10語を1分でテスト
⑦最後に30語全部をテスト
行って戻って‥を繰り返すので「返し縫い記憶法」です。「覚える時間をとって、赤シートで隠してテスト」を10語ずつで繰り返すと短い時間でインプットすることができます。
単語の覚え方は、学校で使っている単語帳を用意し、10語ずつに分けて覚えていく方法がおすすめ。「覚える時間をとって、赤シートで隠してテスト」を10語ずつで繰り返すと短い時間でインプットすることができます。
また、古文単語インプットの重要な点は、最初はメインの意味を覚えることに絞ることです。古文の単語帳は、単語の語源や意味を詳しく解説しています。解説はひととおり目を通しますが、1回目で覚えるのは「赤字で書かれているメインの意味」のみと割り切りましょう。古文単語にはひとつの単語に複数の意味があるものが多いけれど、一度に全部覚えようとすると混乱しがちです。もちろん最終的には他の意味も覚えていく必要はありますが、単語のインプットは何度も繰り返す必要があるので、「まず最初の1周目と2周目は赤シートを使ってメインの単語のみ、3周目以降に他の意味を覚える」としたほうが、早いうちに古文が読めるようになってきたという実感が持て、得点につながるのです。。
次に覚えるのは古文文法。文法は古文学習の中心とも言える重要なものですが、覚えるべきものは「用言の活用」「助動詞、助詞の用法」「敬語法」です。単語と同様に、よく問われるものが順に優先的に押さえていくのが次のテストからの得点アップには効果的です。まずは「単語の識別」「活用」「助動詞、助詞の意味」に絞って短期間で身に付けてしまいましょう。
文法暗記でも使うものは文法書1冊でOK。多くの参考書を開いて最初のページ(裏表紙)に助動詞の活用表や助詞の活用表がまとめてあります。用言や助動詞や助詞などの各単元の内容に目を通したら、あとは古文本文を読むたびに活用表を覚えましょう。
単語と文法を押さえて古文を読めるようになったら、次は問題を解く方法を身に着けましょう。重要なのは解く手順。本文を読み始める前に、以下の4点を確認しておきましょう。
・設問
・注釈
・出典
・リード文
1点でも多く得点するために、取れる問題を確実にとっておく必要があります。設問をはじめにチェックしておけば、文脈判断不要の文法問題や意味の特定できる単語の問題は即解答して、「本当はとれたのに時間がなくてできなかった」を避けることができます。また、設問や注釈を読むだけで恋愛の話なのか親子の話なのか分かることもあるので本文読解の重要なヒントになります。
次に出典の確認も大切です。目的はその作品のジャンルは何なのかを確認すること。随筆や日記なら作者の存在を入れて読む必要があるからです。作者の存在が分かるだけで本文はぐっと読みやすくなるのです。
そして最後にリード文。本文の前に書いてある状況説明の文章のことです。人物は誰が出てきているのか、場所はどこで、人物の関係はどうなっているのかなど、本文を読むための情報の宝庫です。リード文で人物をチェックすることで本文中に省略された主語を捉えることができる問題もあるくらいなので、さっと流さずしっかりに読んでおきましょう。
以上をチェックしたら、単語の文法の知識を駆使して本文を読んでいきましょう。模試やテストだけでなく、普段の練習からこの順番で読解する習慣をつけておくと確実に解ける問題が増えます。
以上が古文攻略のポイントです。
最後に、+αとして古文常識を押さえておけばさらに盤石です。平安時代の男性貴族は10代前半に「元服」という儀式を行い初めて冠を被ることからこれを「初冠」と呼んだ、などの知識です。古文常識をまとめた参考書も多くあるので、単語、文法をマスターしたあとに確認してみましょう。
古文は、単語と文法さえ押さえれば本文の意味は割と簡単に読めてしまいます。あとはセンターを含めた過去問10回分を2周以上実施する期間を踏まえて、いつまでに単語と文法を完成させるか計画を立ててみましょう。
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