今月のおススメ本:現役東大生が伝えたい やってはいけない勉強法【改訂版】 - 金沢市・野々市市・白山市の塾なら東大セミナー
2021.09.02保護者通信

今月のおススメ本:現役東大生が伝えたい やってはいけない勉強法【改訂版】


皆さんこんにちは。東大セミナーの篠原です。

今月おススメする本は“現役東大生が伝えたい やってはいけない勉強法【改訂版】”です。

 


目次

0.本の情報

1.この本をおすすめしたい人

2.大学受験対策で”やってはいけないこと”を知ることで、最適な受験戦略を立てることができる

3.志望大学の配点や受験科目を知ることが、受験勉強の計画を立てるための第一歩

4.「やったほうがいい」は「やるべき」理由にはならない


 

 

0.本の情報


著者:綱島 将人, 橋本 拓磨

出版社:学研プラス

価格(税込):1,320円

 

 

1.この本をおすすめしたい人


 

  • ・大学受験の戦略の立て方に悩んでいる方
  • ・大学受験対策をしていきたいけれど、何をしていいかわからない方
  • ・自己流で大学受験勉強を始めようとしている方

 

 

 

2.大学受験対策で”やってはいけないこと”を知ることで、最適な受験戦略が浮き彫りになる


「効率の良い勉強法」について書かれている本はよく見かけますが、本書はその逆の「受験勉強において絶対にやってはいけないこと」を明確にすることで、受験勉強の心構えや戦略の立て方がわかりやすくなっています。本書の冒頭には「やってはいけない勉強法リスト」が掲載されていますが、そのどれもが多くの受験生にとって、ギクリと思わせられるものです。

例えば「第一志望校を決める前に受験勉強を始めている」「志望校の過去問を解いたことがない」「志望校の受験科目とその配点を知らない」「英語の長文をなんとなくで読んでいる」「成績が思ったように上がらないと頻繁に参考書を変えている」…などの80項目が挙げられています。

このように多くの人がハマっている受験勉強の落とし穴について解説し、志望大学合格のために最適な戦略の立て方を提示されているので、読者がどのような受験対策を行うべきかがわかりやすいのです。何事にも良し悪しがあるように、受験戦略の立て方にも良し悪しがあります。本書は悪い戦略の立て方の基準や理由を知り、良い戦略の立て方を知るスタイルの本と言えるでしょう。

 

 

 

3.志望大学の配点や受験科目を知ることが計画立ての第一歩


上記のチェック項目の中に、「第一志望校を決める前に受験勉強を始めている」というものがありました。「志望校が決まっていない状態で闇雲に受験勉強を始めても、効率的ではない」ということです。志望校によって対策しなければならない範囲や分野・科目ごとの配点が異なっているため、志望校を決めてから勉強した方が無駄なく受験対策できます。

とはいえ、高校1・2年生の皆さんは「志望大学以前に文理選択もどちらにするか迷っている」という状況の方も多いと思います。本書には、そんなお悩みを持った方に対して「”目標”や”価値観”と向き合って文理選択や志望校選択をしていこう」というアドバイスが記載されています。それはどういうことでしょうか。例えば「理系に行けば、偏差値の高い大学に行けそう」「文系に行けば、自分のやりたい勉強ができそう」と文理選択で悩んでいる高校生がいるとします。両者を自分の目標に置き換えると、「より高い環境に自分の身をおいて、レベルの高い仲間を作る」という目標と、「大学で学びたい学問を学ぶ」という目標になります。どちらが自分にとって大切なのか、自分自身の価値観とすり合わせて答えを出しましょう、ということだそうです。文理選択はその他にも、将来の夢や希望する職業、得意不得意科目を考慮して決めるのも良いでしょう。

 

 

 

4.「やったほうがいい」は「やるべき」理由にはならない


本書の中で最も印象に残った言葉は、”「やった方がいい」は「やるべき理由にならない」”というものです。英単語は2000語覚えるよりも1万個覚えていたほうが「いい」、高校数学で終わらせないで大学数学まで勉強した方が「いい」と言えます。けれども、「やったほうがいい」ことをすべてやれるだけの時間的余裕は受験生にあるわけもなく、「やったほうがいい」ことの中でも優先順位をつけて、戦略を組んでいく必要があるのです。

これは私の飛躍した解釈になるかもしれませんが、こうした「やったほうがいい」ことを実際に自分がやるかどうかの判断は、受験勉強に限らず世の中のさまざまな場合に必要なことだと思いました。

例えば、健康食品の例を考えてみましょう。健康に「いい」とされる様々なサプリメントや健康食品があらゆるところで販売されています。今や国民の半分の方々が、健康食品を利用したことがあるという調査もあります。しかし、内閣府の食品安全委員会からは、健康食品やサプリメントの過剰摂取がかえって健康を害するとも指摘されています。健康食品は体に「いい」と言われているものですが、吟味して摂らないとかえって健康を害するリスクもあるのです。これは、誰かにとっての「いい」があなたにとっても「いい」とは限らないということです。こう考えると、「いい」と言われているものを本当に自分に取り入れるかどうかの判断は、勉強の方法に限らず絶えず行っていく必要があると思うのです。

今受験生の皆さんも、大学に進学した後も色々な人から「これはやっておいたほうが良いよ」と言われることだと思います。大学生のうちに人脈を作っておいたほうが良い、色々なところに足を運んで情報を得たほうが良い、などです。

「やったほうがいい」ことは沢山あります。時にはAさんの言う「やったほうがいい」とBさんの言う「やったほうがいい」が相反することもあり、混乱する場合も出てくると思います。そして、すべての「やったほうがいい」をやり尽くす時間的余裕もなければ、人によって何が「いい」のかは違います。突き詰めれば誰かが言う「やったほうがいい」も、その人の考えの一部に過ぎず、あなたの幸せを保証してくれるわけではないでしょう。本当に大事なことは、世の中にあるさまざまな「やったほうがいい」の中から、自分の目的や価値観とすりあわせて「自分が本当にやるべきこと」を見定めることなのだと思います。

 

本書には、受験に合格するためには「受験科目ではない課題に力を入れすぎない」「受験科目以外は勉強しなくとも良い」というような、志望校合格を優先しすぎるが故にやや極端な表現も見受けられますが、一度本書を読んでいただくことで、ご自身の志望校合格へのイメージも湧いてくるのではないかと思います。

 

 

 

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【記事監修者】塾長 柳生 好春


1951年5月16日生まれ。石川県羽咋郡旧志雄町(現宝達志水町)出身。中央大学法学部法律学科卒業。 1986年、地元石川県で進学塾「東大セミナー」を設立。以来、38年間学習塾の運営に携わる。現在金沢市、野々市市、白山市に「東大セミナー」「東進衛星予備校」「進研ゼミ個別指導教室」を展開。 学習塾の運営を通じて自ら課題を発見し、自ら学ぶ「自修自得」の精神を持つ人材育成を行い、社会に貢献することを理念とする。

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