みなさんこんにちは。
東大セミナーの大木です。
以前、ブログにて
という記事を掲載しましたが、
今回は、国公立大学入試における
大学入学共通テストの位置づけ
についてお話します。
なお、本文中の配点や開示情報は、
全て令和3年度入試の数値です。
目次
こちらは前掲の記事との重複になりますが、
改めて、まずは、国公立大学の入試の仕組みから
みていきましょう。
国公立大学の入試は、大学入学共通テストと
2次試験の二つの試験の得点の合計で
合否が決まります。
大学入学共通テストは、
900点満点のマーク試験で、
全受験生が同じ問題を解きます。
一方、二次試験は配点、
問題内容共に大学によって異なります。
この二つの試験を組み合わせて
合否判定を行うため、何点満点の試験になるかは、
大学によって異なることになります。
加えて、大学入学共通テストの満点は、
大学側が自由に変更(換算)できる点も要注意です。
例えば東京大学の場合は
900点満点の大学入学共通テストを
110点に圧縮換算します。
これに440点満点の二次試験を加え、
合計550点満点の試験で合否判定を行います。
金沢大学人間社会学域法学類の場合は、
900点満点の大学入学共通テストを
400点に圧縮換算します。
これに600点満点の二次試験を加え、
合計1000点満点の試験で合否判定を行います。
このように、大学によって、
大学入学共通テストの重要度(配点)が
変動するのが、国公立大学入試の大きな特徴です。
では、大学入学共通テストは
国公立大学の入試においてどれほど重要なのか。
上記のとおりですから、大学入学共通テストが、
重要なのか否かは、実は志望校によって異なります。
もちろん、合格者平均点から
著しく乖離している場合などは除いてですが、
一定の水準をクリアしている前提であれば、
第一志望校の配点によって重要度は異なってきます。
例えば難関10大学の一角である
東京工業大学の場合は、
大学入学共通テストは第一次選抜
(倍率が一定を超えた場合に、
二次試験受験資格を付与するか否かを
大学入学共通テストの点数によって決定する選抜)
でしか使用しないため、大学入学共通テストは
それほど重要ではないということになります。
また、東京大学のような配点においても、
総得点に占める大学入学共通テストの
配点割合が20%と低いため、
やはり二次試験に方が重要ということになります。
一方で、富山大学経済学部経済学科の場合は、
大学入学共通テスト900点、二次試験300点、
合計1200点満点の試験となるため、
大学入学共通テストが非常に重要ということになります。
このような配点の場合は、
大学入学共通テストの得点によって
ほぼ合否が決定づけられることになります。
したがって、大学入学共通テストと
二次試験のどちらに軸足を置いて勉強するかは、
自身の第一志望校の配点を鑑みたうえで、
しっかりと把握し、対策していかねば
ならないということを覚えておきましょう。
では、大学入学共通テストの
配点比率の方が大きい大学の場合は、
大学入学共通テストの対策だけで
十分なのかというとそうとも限りません。
例えば先ほどの
富山大学経済学部経済学科の場合、
二次試験科目は数学もしくは
英語のいずれか1科目で
配点が300点です。
そして同学科の大学入学共通テストの
合格者平均点は605.8点です。
仮に大学入学共通テストの得点が、
650点だった場合、同学科の合格可能性は
かなり高いといえますが、
その内訳が英語100点、数学100点、
国語170点、社会①90点、
社会②95点、理科基礎95点だった場合、
話は変わってきます。
二次試験科目である英数の得点率が
50%ということになりますので、
より難易度が高くなる二次試験での
想定得点はさらに低くなります。
仮に二次試験得点率を35%と仮定した場合、
二次試験の得点は105点
ということになりますので、
総得点は755点となります
(大学入学共通テスト650点+二次試験105点)。
そうすると、同学科の合格者最低点766.1点を
下回り不合格となるのです。
このように、
自身の第一志望校の配点によって、
大学入学共通テストの重要度は
変わるといえども、二次試験科目の
大学入学共通テスト得点を細かに見た場合は、
二次試験対策の重要度も
変動してくるケースがあります。
大学入学共通テストは、
国公立大学二次試験に比べて難易度が低いため、
大学入学共通テストの対策を十分にしたうえで、
二次試験対策を行っていくということは
前提になりますが、今回は、
その前提で、戦略的に試験種別や
科目得点などを考慮して
学習スケジュールを見直してみる
という考えの例を一つ提示させて頂きました。
みなさまの学習の一助となれば幸いです。
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